英文サイト問題検証(2) 読者受けを意識 過激に

2008年7月20日

 MDNが紙だった時代の「WaiWai」にも性に関する話題は掲載され、担当する外国人編集者が表現を和らげるよう指摘することもあった。担当記者も「編集者はバランスが取れている人で、あまりバカなことは書けなかった。ボツになった原稿もたくさんある」と話す。

 毎日新聞本紙では、記者が書いた原稿はデスクが目を通し、事実関係や表現について筆者に細かく確認を取ったうえで出稿される。さらに、紙面に掲載されるまでには、記事の扱いや見出しを決める部署や校閲部門、当日の編集責任者など何重ものチェックを経る。しかし、「WaiWai」ではこうした綿密なチェックは行われていなかった。原典の雑誌記事との照合も行われず、ほとんどが外国人スタッフの間で完結していた。

 ウェブへの移行後、事情はさらに変化する。「WaiWaiは人気コンテンツだし、週6本から8本にして毎日掲載しようという話になった」(担当記者)が、体制が追いつかず、チェック役を務めていた編集者も一般ニュースに集中せざるを得なくなった。

 日本人スタッフによるチェックはニュース原稿が中心で、結果的に「WaiWai」の原稿は編集者の目を通らず、リバイザーと呼ばれる英文の体裁を整える役目の外国人スタッフのチェックだけを受けて、そのまま掲載されることが日常的になった。

 外国人スタッフの一人は何度か内容について注意したが、担当記者は「批判されると僕も反発した。(編集長になってからはスタッフが原稿を)ボツにできる雰囲気ではなかったかもしれない」と振り返る。

 日本人上司である歴代の英文毎日編集部長はどんな役割を果たしたのか。編集部長は、週刊紙「毎日ウィークリー」の編集長も兼務していたことから、MDN全般についてはほとんどスタッフに任せ切りの状態が続いていた。

 02年10月に着任した編集部長は「WaiWaiは、全部ではないが、ウェブ掲載後のものを時々読んでいた。中には過激な表現もあったと思うが、総じて日本に興味のある外国人が読みたいと思う話をピックアップしていた」との認識を示す。

 当時を知る編集部員は「部長は、『ウィークリー』の改革に熱心で、MDNの内容についてはあまり口出しをしなかった」と証言する。

 後任の編集部長(05年4月~06年3月)=既に退職=は、英文関係の上部組織であるデジタルメディア局次長との兼務。事実上、局次長の職務が中心で、MDNの編集室にいることはなかった。

 部長は「WaiWaiの一部は読んでいて、内容は認識していた」一方で、「手が回らず、担当記者に全部やらせた」と反省する。担当記者の原稿がデスクの目を経ずに出ていたことについては「抵抗感はあったが、チェック体制が取れなかった」と話す。

 外国人スタッフは「WaiWaiはスラング(俗語)が多く、歴代の日本人編集部長が本当に理解していたのか」と、言葉の壁を指摘する。

毎日新聞社