英文サイト問題検証(3) 外部の指摘 生かせず

2008年7月20日

 「時々はウェブサイトでチェックしていたが事実上、記者に任せていた。記事選択のチェックをすべきだった」。06年4月に就任した高橋弘司編集部長(役職停止中)は、そう反省の弁を述べる。

 高橋は就任前に、同部に在籍したことがある女性記者に部内の状況を聞いていた。その中で「WaiWaiは内容を見直した方がいい。社会的な切り口でやった方がいいのではないか」とのアドバイスを受けたという。

 ◇女性の視点欠如

 女性記者は「取材先の米国人から『こんなひどい記事が掲載されているが、毎日新聞と関係あるのか』と聞かれたことがある。毎日新聞の信頼性という点から非常に深刻にとらえていた」と明かす。

 高橋は就任後に「WaiWai」を見て「低俗だな、セックス記事が多いな」という印象を持ったという。間もなく、担当記者に過激な内容の雑誌名を挙げ、「わいせつな記事は極力使わない方がいい」と口頭で注意した。その後も、「抑えめにしろよ」と2、3回言ったが、高橋はその後改善されたかチェックすることはなかった。

 結局、内部からの警告のサインは、いずれも関係者には深刻に受け止められず見直しに結びつかなかった。

 外部からも「WaiWai」の問題点を指摘する意見が寄せられていた。

 昨年10月、米国在住の大学勤務の日本女性から内容を批判する英文メールがデジタルメディア局に届いている。「正確さについて保証しない」との断り書きがあっても掲載すべきでないというもので、理由として▽論理的に考えれば記事はウソに違いないと思う▽日本文化をよく知らない人たちに誤解を与える――ことを挙げた。

 このメールは当時、担当記者も目にしていたが具体的な対応は取らなかった。「返事を書きたい気持ちはあったが、きちっとした内容を書かなければならない。次から次へと仕事があり、できなかった」と理由を述べる。

 今年3月にも国内在住という人から日本語で「WaiWai」の内容に疑問を投げかけるメールが届いたが、同様に顧みられることはなかった。

 この2本のメールの内容は、記者だけでなくデジタルメディア局内の他の人にもメールで知らされた。そのリストには局長や局次長、部長ら幹部も含まれていた。

 長谷川と高橋はともに「メールには全く気づかなかった」とし、高橋は「今回最も甘かった点だ。きちっと答えるべきだったと反省している」と述べる。

 当時、デジタルメディア局次長の立場にあった磯野彰彦デジタルメディア局長(役職停止中)は「パソコンを調べたら、3月のメールは開いた形跡があった。マイナス情報に気づかず、悔やんでも悔やみ切れない」と話す。

毎日新聞社