毎日経済人賞
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毎日経済人賞は、優れた経営手腕で産業界に新風を送り、企業の社会的・文化的活動の推進、国民生活の向上などに貢献した経営者を顕彰するものです。毎日新聞社が1979年に創設し、社外の学識者らが毎年、選定しています。2011年度の第32回は、大和ハウス工業代表取締役会長、樋口武男さんと、東日本旅客鉄道代表取締役社長、清野智さんに決まりました。また、さいとう製菓代表取締役社長、齊藤俊明さんに特別賞が贈られました=肩書きはいずれも受賞当時。3人は、東日本大震災に直面した時、企業としての使命を強く意識し、強いリーダシップで地域のため、社会のため尽力した点が高く評価されました。
贈呈式は2012年3月2日、岡村正日本商工会議所会頭をはじめ約250人が参加し、フォーシーズンズホテル椿山荘東京で開かれました。受賞あいさつで、3氏はいずれも震災からの復旧に向けた決意を表明。樋口さんは「被災地の復興はこれから。夢のある街づくりができることを念じながら、住宅業界をあげて、努力していきたい」と強調。清野さんは「在来線の一部はまだ復旧していない。我々の使命は、一日も早くつなぐこと。そのために全力を挙げたい」と力を込めました。被災地で暮らす齊藤さんは「復興は長い年月がかかるいばらの道だが、不撓不屈(ふとうふくつ)の精神で、『がんばろう、大船渡。ふるさとは負けない』をモットーに、前進していく」と述べました。
贈呈式では、賞状のほか、樋口さんには「凡事徹底(当たり前のことを当たり前にやる)」、清野さんには、挑戦するという意味が込められた「挑」、齊藤さんには「信頼」と、それぞれの座右の銘を、第53回毎日芸術賞を受賞した書家の石飛博光さんが揮毫(きごう)した書が贈られました。
◆大和ハウス工業代表取締役会長 樋口武男さん
大和ハウス工業の社長、会長として、創業以来の社のDNAを重んじると同時に強いリーダーシップをもって「熱湯経営」を実践し、社内の意識改革を進めました。その結果、業績のV字回復を果たし、住宅業界で売上首位の座を築きました。また、新たな事業領域に果敢に取り組むとともに、著書を通じてリーダーとしての哲学を説くなど、経営者として高い情報発信力を発揮しています。
東日本大震災に際しては、住宅生産団体連合会会長として数々の困難の中で業界をあげて仮設住宅建設などに取り組んだことは、経済人としても高く評価されています。
◆東日本旅客鉄道代表取締役社長 清野智さん
早期地震検知システムの導入や耐震補強工事、太平洋沿岸を走る在来線の避難誘導など、過去の教訓を踏まえた取り組みにより、東日本大震災で乗客・乗務員の生命を守りました。また、陣頭指揮を執り、全社一丸となって昼夜を分かたず復旧作業に努めたことで50日目に新幹線全線を運転させるなど地域の大動脈再開に奔走しました。
さらに被災路線を責任もって復旧させることをいち早く宣言するとともに、観光促進に向け、地域と協調して誘客の大きな流れをつくりました。このような安全対策や被災地を励ます経営姿勢は高く評価されています。
◆さいとう製菓代表取締役社長 齊藤俊明さん
若くして家業に入って以来、製造機械の考案・改良や販路拡大につとめ、主力商品「かもめの玉子」を、岩手県を代表する銘菓に育てるとともに、地元農産品の使用などで地域振興にも取り組みました。東日本大震災では、被災したにもかかわらず、日頃からの避難指導徹底で従業員に犠牲者を出さなかったばかりか、いちはやく避難所で「かもめの玉子」25万個を配布しました。さらに1カ月あまりで生産を再開し、前年を上回る売上で雇用の場を守ったことで復興のシンボル的存在となり、大船渡商工会議所会頭としても被災地のため尽力していることは高く評価されています。
第32回毎日経済人賞は、毎日新聞の経済部記者、支局長、週刊「エコノミスト」編集部などからの推薦を基に、論説委員長、東京・大阪経済部長らが審査、さらに経済専門家らによる最終審査で決定しました。
最終選考委員は以下の7人です。
竹内宏・静岡県公立大学法人理事長(座長)▽福川伸次・機械産業記念事業財団会長▽清成忠男・法政大学学事顧問▽大武健一郎・大塚ホールディングス副会長▽田中洋之助・総合政策研究会前理事長▽藤沢久美・シンクダンクソフィアバンク副代表▽岸井成格・毎日新聞主筆
◆毎日経済人賞の歴代受賞者
受賞年度 受賞者(社名・肩書きは受賞時) 第1回(1979年度) 片岡勝太郎 アルプス電気社長 植良 祐政 飛島建設会長 第2回(1980年度) 御手洗 毅 キヤノン会長 牧野 常造 牧野フライス製作所会長 第3回(1981年度) 小林 大祐 富士通会長 吉田 忠雄 吉田工業社長 第4回(1982年度) 素野福次郎 東京電気化学工業社長 飯田 亮 日本警備保障会長 第5回(1983年度) 林 主税 日本真空技術社長 鬼塚喜八郎 アシックス社長 第6回(1984年度) 四島 司 福岡相互銀行社長 青木 宏悦 青木建設社長 第7回(1985年度 山口多賀司 非破壊検査社長 三沢千代治 ミサワホーム社長 第8回(1987年度) 伊奈 輝三 INAX社長 樋口廣太郎 アサヒビール社長 第9回(1988年度) 潮田健次郎 トーヨーサッシ社長 小倉 昌男 ヤマト運輸会長 第10回(1989年度) 川村 茂邦 大日本インキ化学工業社長 山内 溥 任天堂社長 第11回(1990年度) 大賀 典雄 ソニー社長 福原 義春 資生堂社長 第12回(1991年度) 伊藤 雅俊 イトーヨーカ堂社長 立石 義雄 オムロン社長 特別賞 故本田宗一郎 本田技研工業最高顧問 第13回(1992年度) 金川 千尋 信越化学工業社長 小林 公平 阪急電鉄社長 第14回(1993年度) 村田 昭 村田製作所会長 橋本 久雄 マックス社長 第15回(1994年度) 福武總一郎 福武書店社長 第16回(1995年度) 孫 正義 ソフトバンク社長 岡田 卓也 ジャスコ会長 第17回(1996年度) 常盤 文克 花王社長 北島 義俊 大日本印刷社長 第18回(1997年度) 海崎洋一郎 ブリヂストン社長 堀場 雅夫 堀場製作所会長 第19回(1998年度) 島 正博 島精機製作所社長 小松 安弘 エフピコ社長 第20回(1999年度) 鈴木 哲夫 HOYA会長 藤村 宏幸 荏原製作所会長 特別賞 故盛田 昭夫 ソニー名誉会長 特別賞 故佐治 敬三 サントリー会長 第21回(2000年度) 柳井 正 ファーストリテイリング社長 大宮 久 宝酒造社長 第22回(2001年度) 武田 國男 武田薬品工業社長 桜井 正光 リコー社長 第23回(2002年度) 御手洗冨士夫キヤノン社長 加賀見俊夫 オリエンタルランド社長 第24回(2003年度) 町田 勝彦 シャープ社長 森 稔 森ビル社長 第25回(2004年度) 永守 重信 日本電産社長 第26回(2005年度) 大塚 裕司 大塚商会社長 張 富士夫 トヨタ自動車副会長 第27回(2006年度) 鈴木 修 スズキ会長 木瀬 照雄 TOTO社長 第28回(2007年度) 西田 厚聡 東芝代表執行役社長 吉川 廣和 DOWAホールディングス会長・CEO 第29回(2008年度) 大坪 文雄 パナソニック社長 佐治 信忠 サントリー社長 第30回(2009年度) 佃 和夫 三菱重工業会長 矢崎 和彦 フェリシモ社長 第31回(2010年度) 坂根 正弘 小松製作所会長 榊原 定征 東レ代表取締役会長兼CEO 第32回(2011年度) 樋口 武男 大和ハウス工業会長 清野 智 東日本旅客鉄道社長 特別賞 齊藤 俊明 さいとう製菓社長





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