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毎日経済人賞

 第35回毎日経済人賞(2014年度)の贈呈式が3月3日、東京都文京区のホテル椿山荘でありました。受賞者は三菱ケミカルホールディングスの小林喜光社長(68)と、インターネットイニシアティブ(IIJ)の鈴木幸一会長(68)。贈呈式では、副賞としてそれぞれの座右の銘を揮毫した書額が送られました。揮毫者は毎日芸術賞受賞者の書家、船本芳雲氏。

 ◇三菱ケミカルホールディングス 小林喜光(こばやし・よしみつ)社長

 2007年に三菱ケミカルホールディングス(HD)社長に就任し、積極的なM&A(企業の合併・買収)の展開などで、同社を日本を代表する総合化学企業に育てました。

 大学院修了後、イスラエルのヘブライ大学、イタリアのピサ大学で学び、28歳で三菱化成工業(現HD傘下の三菱化学)に入社。40代後半まで触媒や光ディスクなどの研究に従事した異色の経営者です。

 社長就任直後の08年に三菱樹脂を、10年には三菱レイヨンを買収するなどしてグループを再編。付加価値の高い炭素繊維事業などに力を入れる態勢作りを進めました。さらに石化業界全体の課題の過剰設備の解消を先導。三菱化学と旭化成ケミカルズが共同で運営する水島コンビナート(岡山県)のプラント2基のうち1基を16年4月に閉鎖する道筋をつけました。

 利益だけでなく、経済と環境の「持続可能性」も経営の軸に置いています。豊富な知見を買われ、政府の産業競争力会議の民間議員を務めるなど、公的活動にも積極的に取り組んでいます。4月には経済同友会代表幹事に就任、経済界を代表する論客としての活動が期待されています。

 ◇インターネットイニシアティブ 鈴木幸一(すずき・こういち)会長

 鈴木会長が創業したインターネットイニシアティブ(IIJ)は、1993年にインターネット接続サービスを国内で初めて提供するなど、社名の意味通り「ネット業界の先導役」を務めてきました。

 日本能率協会などを経て、92年にIIJの前身企業を設立。米国でのインターネットの技術革新を目の当たりにし、「このままでは日本が遅れる」という危機感に背中を押されたと言います。

 しかし、当時の郵政省(現総務省)は、公益性の高い通信事業をベンチャー企業が手掛けることに難色を示し、なかなか認可を出しませんでした。本業の収入がなく、ネットの将来を説明するセミナーを開くなどしてかろうじて社員に給料を払った苦境の時期もありました。

 認可を受けると、大企業を中心に申し込みが殺到。ソニー、トヨタと共同で98年に作った光ファイバー網のデータ通信サービス会社は、ITバブル崩壊の影響などで2003年に破綻しますが、高速大容量通信の世界標準となる技術を確立しました。

 13年6月に社長を勝栄二郎元財務事務次官に譲った今も「若手を育て、ネット分野で日本発の世界標準サービスを作りたい」。05年から毎春、実行委員長として東京・上野で音楽祭を開催。趣味の音楽でも、人材を育てています。

 ◇毎日経済人賞とは

 優れた経営手腕で産業界に新風を送り、企業の社会的・文化的活動の推進、国民生活の向上などに貢献した経営者を顕彰する目的で、毎日新聞社が1979年に創設しました。毎日新聞社の経済部記者、全国の総支局長、週刊「エコノミスト」編集部などからの推薦を基に、論説委員長、東京・大阪経済部長らが審査、さらに経済専門家らによる最終審査で決定しています。

 最終選考委員は以下の6人です。

岩井克人(国際基督教大学客員教授)
佐々木かをり((株)イー・ウーマン社長)
中村利雄(日本商工会議所専務理事)
福川伸次(東洋大学理事長)
柳澤伯夫(城西国際大学学長)
伊藤芳明(毎日新聞社主筆)


◆毎日経済人賞の歴代受賞者◆                                                         
受賞年度 受賞者(社名・肩書きは受賞時)
第1回(1979年度) 片岡勝太郎 アルプス電気社長
植良 祐政 飛島建設会長
第2回(1980年度) 御手洗 毅 キヤノン会長
牧野 常造 牧野フライス製作所会長
第3回(1981年度) 小林 大祐 富士通会長
吉田 忠雄 吉田工業社長
第4回(1982年度) 素野福次郎 東京電気化学工業社長
飯田  亮 日本警備保障会長
第5回(1983年度) 林  主税 日本真空技術社長
鬼塚喜八郎 アシックス社長
第6回(1984年度) 四島  司 福岡相互銀行社長
青木 宏悦 青木建設社長
第7回(1985年度) 山口多賀司 非破壊検査社長
三沢千代治 ミサワホーム社長
第8回(1987年度) 伊奈 輝三 INAX社長
樋口廣太郎 アサヒビール社長
第9回(1988年度) 潮田健次郎 トーヨーサッシ社長
小倉 昌男 ヤマト運輸会長
第10回(1989年度) 川村 茂邦 大日本インキ化学工業社長
山内  溥 任天堂社長
第11回(1990年度) 大賀 典雄 ソニー社長
福原 義春 資生堂社長
第12回(1991年度) 伊藤 雅俊 イトーヨーカ堂社長
立石 義雄 オムロン社長
特別賞 故本田宗一郎 本田技研工業最高顧問
第13回(1992年度) 金川 千尋 信越化学工業社長
小林 公平 阪急電鉄社長
第14回(1993年度) 村田  昭 村田製作所会長
橋本 久雄 マックス社長
第15回(1994年度) 福武總一郎 福武書店社長
第16回(1995年度) 孫  正義 ソフトバンク社長
岡田 卓也 ジャスコ会長
第17回(1996年度) 常盤 文克 花王社長
北島 義俊 大日本印刷社長
第18回(1997年度) 海崎洋一郎 ブリヂストン社長
堀場 雅夫 堀場製作所会長
第19回(1998年度) 島  正博 島精機製作所社長
小松 安弘 エフピコ社長
第20回(1999年度) 鈴木 哲夫 HOYA会長
藤村 宏幸 荏原製作所会長
特別賞 故盛田 昭夫 ソニー名誉会長
特別賞 故佐治 敬三 サントリー会長
第21回(2000年度) 柳井  正 ファーストリテイリング社長
大宮  久 宝酒造社長
第22回(2001年度) 武田 國男 武田薬品工業社長
桜井 正光 リコー社長
第23回(2002年度) 御手洗冨士夫 キヤノン社長
加賀見俊夫 オリエンタルランド社長
第24回(2003年度) 町田 勝彦 シャープ社長
森   稔 森ビル社長
第25回(2004年度) 永守 重信 日本電産社長
第26回(2005年度) 大塚 裕司 大塚商会社長
張 富士夫 トヨタ自動車副会長
第27回(2006年度) 鈴木  修 スズキ会長
木瀬 照雄 TOTO社長
第28回(2007年度) 西田 厚聡 東芝代表執行役社長
吉川 廣和 DOWAホールディングス会長・CEO
第29回(2008年度) 大坪 文雄 パナソニック社長
佐治 信忠 サントリー社長
第30回(2009年度) 佃  和夫 三菱重工業会長
矢崎 和彦 フェリシモ社長
第31回(2010年度) 坂根 正弘 小松製作所会長
榊原 定征 東レ代表取締役会長兼CEO
第32回(2011年度) 樋口 武男 大和ハウス工業会長
清野  智 東日本旅客鉄道社長
特別賞 齊藤 俊明 さいとう製菓社長
第33回(2012年度) 古森 重隆 富士フイルムホールディングス会長兼CEO
松原 一雄 アトムメディカル社長
第34回(2013年度) 川村  隆 日立製作所会長
井上 礼之 ダイキン工業会長兼CEO
特別賞 斎藤 一彦 常磐興産会長