2009年1月13日
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| 「グランプリ」に輝いた神戸学院大防災・社会貢献ユニット(神戸市)=三村政司撮影 |
学校や地域で取り組む防災教育を顕彰する「ぼうさい甲子園」(1・17防災未来賞)=毎日新聞社、兵庫県など主催=の表彰式・発表会が11日、神戸市中央区の兵庫県公館であり、約250人が参加した。全国から集まった学校・団体の代表者らが地域の特性に応じたユニークな活動を紹介し、「備え」の大切さを訴えた。
小学、中学、高校、大学の4部門に計118団体の応募があり、26団体が受賞。このうち、最高の「グランプリ」に輝いた神戸学院大防災・社会貢献ユニット(神戸市)をはじめ、ぼうさい大賞や優秀賞などの11団体が活動内容を報告した。
小学生部門優秀賞の「水の自遊人(じゆうじん)しんすいせんたいアカザ隊」(山口県)は災害時に意思伝達するために考案した「ぼうさいサイン」を披露。高校生部門で優秀賞の安城学園高(愛知県)は、校舎が震災被害を受けたことを想定して作製したジオラマを披露した。【牧野宏美】
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| 築50年を超える校舎(右のスライド映写)について発表する入谷中の菅原有香さん(右)と山内夏帆さん=神戸市の兵庫県公館で11日、三村政司撮影 |
神戸市で11日にあった「ぼうさい甲子園」(1・17防災未来賞)の表彰式・発表会。受賞団体の実践・活動には、それぞれの地域の課題や子どもたちの意欲がにじみ出た。共通するのは、防災への取り組みを「忘れない」「ずっと伝え広げる」という強い思いだ。
「私たちが実践してきたことは永遠に受け継がれていくはずです」。ぼうさい大賞の宮城県南三陸町立入谷(いりや)中は、3月に閉校する。地域から惜しむ声が上がる中、生徒たちは新しい学校でも防災活動を広げることを誓った。
同中は山間部にある生徒数43人の小規模校。地域外とを結ぶのは1本の国道だけ。土砂崩れなどで使用不能になった場合、校区ごと孤立する。高齢化が進み、同中では03年から「中学生を地域の防災リーダーに」と、生徒による木造住宅の簡易耐震診断などに取り組み、町の救命講習にも全生徒が参加した。
発表会では昨年10月に地域と合同で開いた防災訓練の様子を紹介した。3年の山内夏帆(かほ)さんや菅原有香さんは「後輩たちには違う学校に移っても防災学習を続けて、さらに素晴らしい成果が出せるよう頑張ってほしい」と話した。【中里顕】
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| ネパールでの活動などを発表する小島汀さん=中尾卓英撮影 |
選考委員特別賞を受賞した兵庫県立舞子高環境防災科の2年生、小島汀(おじまみぎわ)さん(17)は、3歳の時、阪神大震災で父謙さん(当時36歳)を亡くした震災遺児の一人だ。この日は、ネパール・カトマンズで昨夏、現地の子どもたちと取り組んだ震災を考えるセミナーなどについて、同科の生徒3人と一緒に報告した。 昨夏、「あしなが育英会・心の癒(いや)し使節団」(神戸市)メンバーとして、四川大地震の被災地、中国・成都市などを訪れ、遺児らと交流。父を亡くした被災体験を話すと、真剣なまなざしで小島さんを見つめた。「自分より小さい子どもとも、通じ合えると感じた」という。
ネパールでは、地震を想定した防災訓練に取り組んだ。「心のケアなどにあたる臨床心理学も学び、被災地の子どもたちに『一人じゃないよ』のメッセージを伝え続けたい」と話した。【高山梓】
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| 大賞で表彰される南三陸町立入谷中の生徒たち |
阪神大震災(95年1月17日)から14年になるのを前に神戸市で11日開かれた「ぼうさい甲子園」(1・17防災未来賞)=毎日新聞社、兵庫県など主催=の表彰式で、中学生の部で大賞に選ばれた南三陸町立入谷(いりや)中と、はばタン大賞に選ばれた気仙沼市立階上(はしかみ)中に賞状と盾が渡された。両校は活動内容も発表し、会場から大きな拍手を送られた。
入谷中は「いざというときの力になる」をテーマに防災学習を続け、昨年10月には地域と合同で避難訓練を実施。木造住宅の簡易耐震診断も行った。発表では、避難訓練の様子を映像を交えて紹介した。佐藤宏樹さん(3年)は「今までやってきたことを評価してもらえてうれしい」と話した。
◇はばタン大賞、階上中も笑顔
階上中のテーマは「自助、公助、共助」。過去の津波経験者から体験談を聞き取ったり、各家庭の防災度をチェックして改善を促すなど、地域防災で大きな役割を果たしている。発表では「私たちは未来の防災戦士」と題して、過去3年間の活動の成果を披露した。佐々木瞳さん(3年)は「地域と協力して学んだことがしっかり話せて良かった」と笑顔を見せた。【中里顕】
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◆だいじょうぶ賞 千葉科学大の学生消防隊に賞状 (2009年1月12日毎日新聞千葉面)
阪神大震災(95年1月17日)から14年になるのを前に神戸市で11日開かれた「ぼうさい甲子園」(1・17防災未来賞)=毎日新聞、兵庫県など主催=の表彰式で、「だいじょうぶ賞」に選ばれた千葉科学大の学生消防隊に賞状が渡された。
副隊長の影島聖道さん(2年)は「受賞校は地域住民と一緒に活動している団体が多い。今後はより一層、地域に積極的に出て、住民の防災意識向上に取り組みたい」と話した。【幸長由子】
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| だいしょうぶ賞を受賞し表彰される府中市立府中第八中=神戸市中央区の兵庫県公館で、三村政司撮影 |
阪神大震災(95年1月17日)から14年を迎えるのを前に神戸市で11日開かれた「ぼうさい甲子園」(1・17防災未来賞)=毎日新聞、兵庫県など主催=の表彰式で、中学生の部で「だいじょうぶ賞」に選ばれた府中市立府中第八中に賞状が渡された。
04、05年の2年間、同市教委の研究協力校として「地域と共に取り組む学校防災・防犯教育」を推進し、その後も同中の特色にしようと継続的に取り組んでいる。
今年度は年間で7回の避難訓練を実施。昨年10月の2年生対象の地域合同防災訓練では、避難所開設や炊き出し、応急手当て、倒壊家屋からの救出などを訓練した。不審者に備えた集団登校訓練もした。
渡部博校長は「他の受賞校は町内会の人から話を聞くなど、参考になる取り組みが多かった。早速、学校の朝礼で生徒たちに紹介したい」と話した。【幸長由子】
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◆中部大ボランティアなど表彰 (2009年1月12日毎日新聞愛知面)
阪神大震災(95年1月17日)から14年を迎えるのを前に神戸市で11日開かれた「ぼうさい甲子園」(1・17防災未来賞)=毎日新聞社、兵庫県など主催=の表彰式で、高校の部で優秀賞に選ばれた安城学園高と、大学の部で同賞に選ばれた中部大ボランティア・NPOセンター、奨励賞に選ばれた県立日進高に賞状などが渡された。安城学園高と中部大は活動内容も発表し、会場から大きな拍手を受けた。
発表会で、安城学園高は2年2組の生徒が、震災被害を想定して制作した学校の模型(ジオラマ)を披露した。発表したタガミ・アンジェリンさん(17)は「これから起こるであろう地震に備えて準備をしてもらえれば」と話した。中部大ボランティア・NPOセンターは、約3000人の学生に乾パンを配った啓発活動など、3年間の活動を紹介した。3年の清水進吾さん(21)は他の受賞団体について「災害から身を守るという同じ目的を持っている一体感を感じた」と話していた。
日進高は江戸時代の安政南海地震の逸話「稲むらの火」を題材にした劇を上演するなどしてきた。表彰を受けた1年の松崎友寛さん(16)は「他の学校の活動内容を聞いて、刺激になった」と語った。【渋江千春】
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| 奨励賞を受賞し表彰される立命館大国際協力学生実行委員会=神戸市中央区の兵庫県公館で、三村政司撮影 |
阪神大震災(95年1月17日)から14年を迎えるのを前に神戸市で11日開かれた「ぼうさい甲子園」(1・17防災未来賞)=毎日新聞、兵庫県など主催=の表彰式で、大学生の部で奨励賞に選ばれた立命館大国際協力学生実行委員会に賞状が渡された。
04年12月のスマトラ沖大地震を機に学生有志が活動を開始。スリランカやインドネシアの小学校を訪れて防災に関する授業などを行い、その活動を府内の小学生に紹介、被災地の現状を伝えている。
07年3月から、ジャワ島中部地震で大きな被害を受けたインドネシアのジョクジャカルタ特別州カラキジョ地区へは定期的に訪問。08年度は防災マップを住民と一緒に作ったり、現地の防災リーダーを育成するためのワークショップを実施した。今後は日本の中学校での防災学習を支援する予定という。
同委員会の野原浩嗣(こうじ)さん(1年)は「他団体の発表を聞き、自治体やNGOと連携する大切さを実感した」と話していた。【幸長由子】
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| 奨励賞を受賞し表彰される摂南大ボランティア・スタッフズ=神戸市中央区の兵庫県公館で |
阪神大震災(95年1月17日)から14年を迎えるのを前に、神戸市で11日開かれた「ぼうさい甲子園」(1・17防災未来賞)=毎日新聞社、兵庫県など主催=の表彰式で、奨励賞に選ばれた摂南大ボランティア・スタッフズ(ボラスタ)に賞状が渡された。【山田奈緒】
ボラスタは07年、摂南大外国語学部のゼミ生を中心に設立。月1回のペースでセミナーを開き、自分たちが学んだ防災に関する知識をキャンプなど実地活動などを交えて、地元の中高生ら約40人に伝えている。
昨年は、廃校になった寝屋川市内の小学校の体育館を利用し、避難所設営などもした。大学生が学んだことを発信することで、地域に防災の輪が広がっている。
部長を務める但馬翔輝(しょうき)さん(3年)は「いかに分かりやすく伝えるかを考えていると、知識が身に染み込んでくる。中高生らと一緒に僕たちも勉強するつもりで、活動を続けたい」と話していた。
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| グランプリを受賞し表彰される神戸学院大 |
◇グランプリ・神戸学院大/選考委員特別賞・県立舞子高/はばタン賞・あしなが育英会
阪神大震災から14年を前に神戸市で11日開かれた「ぼうさい甲子園」(1・17防災未来賞)=毎日新聞社、兵庫県など主催=の表彰式で、全体で最高の賞のグランプリ(大学部門の大賞)に輝いた神戸学院大「学際教育機構防災・社会貢献ユニット」▽選考委員特別賞の県立舞子高▽はばタン賞のあしなが育英会「四川大地震遺児の心の癒(いや)し使節団」(いずれも神戸市)――に賞状などが贈られた。神戸学院大と舞子高は活動内容も発表、会場から大きな拍手が送られた。【高山梓】
神戸学院大は小学校などとタイアップしながら、防災教育キットを開発。阪神大震災の語り部とともに小学校で出前授業をしたり、カンボジア・インドネシアにおける海外研修を実施するなど、地域から海外まで幅広く目を向け、防災啓もう活動に取り組んでいる。
発表では、学習の一環で作成した小学生用の防災教育教材を使って出前授業を実施し、市民救命士講習を開催して多くの市民救命士を輩出するなど、知識が多くの地域で役立つよう、学外を重視した活動を紹介した。前田緑さん(4年)は「大学で学んだことを生かし、社会に出た後も地域住民の一人として発信したい」と話した。
舞子高は被災地・神戸を軸に培ったネットワークを生かし、国内外で活動。生徒10人がネパールを訪れ、現地の子どもら120人と3泊4日の防災セミナーを実施したり、四川大地震の被災地でボランティア活動などをした。国内でも子どもの視点での震災体験を語り継ぐ活動を続ける。
会場には四川の写真などを展示。発表では、ネパールとの交流の様子や、四川大地震後の中国で、中学生に対する防災教育の様子を伝えた。中川夏姫さん(3年)は「国際交流で防災の意識を広げることが認められてうれしい。その国に即した防災教育を考えていきたい」と話した。
あしなが育英会は、阪神大震災で親を亡くした遺児らが、四川大地震の発生5日後に新宿と神戸で緊急募金を実施。約2カ月後に現地を訪問し、子どもらと交流した。賞状を受け取った富岡誠さん(53)は「被災者が自分らの力で心のケアに取り組むきっかけ作りができたと思う」と話した。
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◆大賞の田辺工業高を表彰 (2009年1月12日毎日新聞和歌山面)
阪神大震災から14年を迎えるのを前に、「ぼうさい甲子園(1・17防災未来賞)」(毎日新聞社、兵庫県など主催)の表彰式が11日、神戸市の兵庫県公館で開かれ、高校生の部で大賞に選ばれた県立田辺工業(田辺市)に賞状と盾などが渡された。「これからも防災リーダーとして社会貢献したい」と決意を述べた〓畑(くわはた)英次さん(2年)に大きな拍手が送られた。
地域住民と一緒に行う防災訓練や防犯パトロールなどを通じ、高齢化が進む地域内での結び付きを強めてきた。また、先月には田辺市内にある4高校の1年生のほぼ全員にあたる約900人を集めて「市内高校生防災フォーラム」を開き、昭和南海地震による津波被害などについて発表し、災害に対する意識啓発を行った。上岡洋平さん(1年)は「ライフラインが使えない状態を体験するキャンプをして、災害時に何が必要か、もっと考えていきたい」と話していた。【山田奈緒】
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◆小学生の部で優秀賞、防府の「アカザ隊」に賞状と盾 (2009年1月12日毎日新聞山口面)
阪神大震災(95年1月17日)から14年を迎えるのを前に神戸市で11日開かれた「ぼうさい甲子園」(1・17防災未来賞)=毎日新聞社、兵庫県など主催=の表彰式。小学生の部で優秀賞に選ばれた防府市の「水の自遊人しんすいせんたいアカザ隊」に賞状と盾が渡された。手話などを参考に自分たちで考案した防災サインなどを発表し、会場から大きな拍手が送られた。
アカザ隊は05年から市内を流れる佐波川の水質調査や支流探検など実施。今年度は避難訓練で聴覚障害者と接したのを機に、災害時の「誰でもわかるサイン」作りに手話を参考に取り組んだ。これまでに約10パターンを考案。会場では片手を頭の上に載せる「OK」や両方の手のひらを上に向ける「分かりません」などのサインを紹介。市立牟礼中2年、吉野智美さん(14)が「私たちの発表は分かりましたか」と問うと、頭に片手を載せるポーズが会場全体に広がった。【衛藤達生】
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| 阪神大震災の犠牲者を追悼する「1・17希望の灯り」から採火する徳島市津田中の生徒ら=神戸市中央区の東遊園地で |
阪神大震災(95年1月17日)から14年を迎えるのを前に神戸市で11日開かれた「ぼうさい甲子園」(1・17防災未来賞)=毎日新聞社など主催=の表彰式で、中学生の部で優秀賞に選ばれた徳島市津田中に賞状と盾が渡された。1年の中川亮佑(りょうすけ)さん(12)らがスライドや映像を使って活動内容を発表し、会場から大きな拍手を受けた。
海岸に近い同中では、南海・東南海地震の発生時に津波被害が想定される。今年度は「地域と共に歩む防災学習」をテーマに、自主防災組織のメンバーとともに避難場所や経路を確認したり、炊き出し訓練にも参加した。また、会場では非常食や防災グッズをテーマにした展示もした。
◇命のぬくもり受け取った 生徒に「1・17希望の灯り」--神戸
生徒たちは表彰式に先立ち、神戸市中央区加納町6の東遊園地を訪問。震災を忘れないためにともされている「1・17希望の灯(あか)り」から火を受け取った。
中川さんは「公園には亡くなった人の名前を刻んだ碑があり、多くの人が亡くなったことを実感した。学んだことを生かして多くの人の役に立ちたい」と意気込んだ。渡辺礼華(あやか)さん(13)=1年=も「希望の灯りの暖かさは、震災で人々が気付かされた命の暖かさだと思った。大切に持ち帰りたい」と語った。【衛藤達生、幸長由子】













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