表彰式・発表会

2010年1月13日
表彰される「水の自遊人しんすいせんたいアカザ隊」=神戸市中央区の兵庫県公館で10日、小松雄介撮影

 ◆兵庫・佐用高が特別参加

 学校や地域における防災教育の取り組みを顕彰する「ぼうさい甲子園(1・17防災未来賞)」(毎日新聞社、兵庫県など主催)の表彰式と発表会が10日、神戸市中央区の兵庫県公館で開かれた。約260人が参加し、最高賞のグランプリに輝いた「水の自遊人(じゆうじん)しんすいせんたいアカザ隊」(山口県)などが活動内容を紹介した。

 今回は小学校、中学校、高校、大学の4部門に計80団体の応募があり、18団体が入賞。このうちグランプリとぼうさい大賞、優秀賞の8団体と特別参加の2団体が、発表会で取り組みを報告した。

 中学校の部で優秀賞に選ばれた岩手県釜石市立釜石東中学校は住民の避難状況を確かめられるよう生徒が考えた「安否札」を説明し、風呂敷や三角巾(きん)を代用した応急処置を実演した。また特別参加として、昨夏の豪雨で被災した兵庫県佐用町で復旧支援に携わった県立舞子高校と県立佐用高校が当時の状況や生徒が現地で感じたことを語った。【青木絵美】

(2010年1月11日大阪朝刊)

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 ◆共に生きる・阪神大震災15年――ぼうさい甲子園 若き志、各地に根

水害からの復興を願い、取り組みを紹介する兵庫県立佐用高校の生徒=神戸市中央区の県公館で10日、小松雄介撮影
 ◇アカザ隊、被災者支える声記録
 ◇佐用高校生、豪雨災害の町紹介

 阪神大震災から15年の節目に神戸市で開かれた「ぼうさい甲子園(1・17防災未来賞)」の表彰式・発表会。活動を報告した子どもたちは、それぞれの地域で備えの大切さを粘り強く伝え、復旧支援にあたった被災地では、途方に暮れる人々を勇気づけた。「自分たちのできることを」という若い世代の志は、各地で着実に根を下ろしている。

 「私たちにできることは、災害を語り継ぎ、忘れないことです」。グランプリの「水の自遊人(じゆうじん)しんすいせんたいアカザ隊」(山口県防府市)は日ごろ、地元を流れる川に親しみながら防災を学習している。昨年7月、市内に降った豪雨で多くの犠牲者を出す被害が発生した。子どもたちが現場に入ることは難しかったが、被災者を支えたボランティアの声を記録。被害を受けた隣家を気にかけ、日常の笑い声すらためらったという住民間の思いを知った。そうした記録をもとに新聞や絵本を完成させた。

 グランプリの賞金で、アカザ隊は防災活動で交流する聴覚障害者の要約筆記に活用できるプロジェクターを購入し、地元の団体に寄付する予定。小学6年の石光七彩(ななせ)さん(12)は「災害でこれ以上人が亡くならないためにも、防府の水害を忘れてはいけない」と話した。 特別発表で参加した兵庫県立佐用高校は、昨年8月の台風9号による豪雨災害があった地元・佐用町の当時と今を映像などで紹介。延べ500人の生徒がかかわった復旧ボランティアや、JR姫路駅前での募金活動、仮設住宅訪問などを報告した。同県立舞子高校も、町内の小学校を訪ねて被災児童に元気を届けた交流を紹介した。発表で佐用高2年の池田裕美さん(17)は「できることを実行してきた」と胸を張り、同校2年の田中輝さん(16)も「活気あふれる佐用に戻れるようがんばりたい」と語った。【青木絵美】

(2010年1月11日大阪朝刊)

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 ◆共に生きる・阪神大震災15年――「ぼうさい甲子園」表彰式

思いを込めて描いたヒマワリの絵を掲げる「アトリエ太陽の子」の子どもたち=神戸市中央区の県公館で

 ◇笑顔と平和を結ぶ防災教育――可能性に挑戦したい

交流を深める舞子高校(左)と佐用高校(右)の生徒=神戸市中央区の県公館で
 愛、絆(きずな)、助け合い。笑顔と平和を運ぶ防災教育の可能性に挑戦したい――。神戸市中央区の県公館で開かれた「ぼうさい甲子園(1・17防災未来賞)」=毎日新聞社、兵庫県など主催=の表彰式。優秀賞に輝いた県内3団体の児童や学生と、昨年8月の台風9号豪雨に遭った佐用町でボランティア活動を行った県立高校の生徒たちが活動内容を発表。盛んな拍手が送られた。【中尾卓英、大金紗知子】

 初めに井戸敏三知事と岸本卓也・毎日新聞大阪本社編集局長らが賞状を贈呈した。

 発表会で、絵画教室「アトリエ太陽の子」(神戸市、小学校部門)は、命の尊さを伝える6434本のヒマワリを描く絵「命のヒマワリを咲かせましょう」を、中国・四川大地震被災地に贈る活動を紹介。神戸市立本山第一小4年、鎌田彩那さん(10)は「震災で亡くなった人の分まで一生懸命生きよう、という気持ちを絵に込めて伝えていきたい」。

幼稚園などで実演する○×クイズで参加者を沸かせた「地球防災隊」=神戸市中央区の県公館で
 県立淡路高校(淡路市、高校生部門)2年の三光将之さん(16)と神林佑佳さん(17)は、救助活動などを住民から聞き取り、海外被災地に励ましの寄せ書きを送った活動を紹介。防災がテーマの紙芝居を演じ「子どもたちに分かりやすいストーリーを4カ月がかりで考えた。これからも、防災の輪を広げていきたい」と話した。

保育専攻の大学生らで作る「地球防災隊」(神戸市、大学部門)は、幼稚園児らを対象に紙芝居や人形劇、「○×クイズ」などで楽しみながら防災を伝える実践を紹介。神戸学院大4年、河田のどかさん(22)は「若い小中学生が、地域に根ざした防災教育を切り開いている姿に刺激を受けた」と笑顔だった。

防災をテーマにした紙芝居を演じる淡路高校の三光将之さん(右)と神林佑佳さん=神戸市中央区の県公館で
 また、県立佐用高は500人以上の生徒が参加した後片づけや募金活動を報告。2年の池田裕美さん(17)は「佐用町は『大きな家族』で、人と人のつながりが大切。普段から交流を深めたい」。町立幕山小の児童と交流した県立舞子高環境防災科2年、三好萌さん(17)は「高齢者も参加できる地域ぐるみの防災訓練を考えたい」と、将来を見据えた。

(2010年1月11日兵庫面)

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 ◆高校の部大賞・宮古工、津波模型班に賞状伝達

 09年度の「ぼうさい甲子園(1・17防災未来賞)」(毎日新聞社、兵庫県など主催)の高校の部で、「ぼうさい大賞」を受賞した宮古市の県立宮古工業高校機械科3年課題研究津波模型班に対する賞状伝達式が12日、同校であった。浸水区域を想定できる津波模型を使った小中学校での出前授業や、地域での実演を通じて防災意識の向上に取り組んだ実践活動が認められた。

兼平栄補校長(右)から賞状を受け取る川村君(左)と大棒君=県立宮古工高で
 表彰式は神戸市で10日にあり、津波模型班(7人)を代表して川村将崇君(17)と大棒雄司君(18)が大賞を受け取った。伝達式は快挙を全校生徒に紹介するためで、2人に兼平栄補校長から賞状が改めて手渡された。2人は「津波体験が風化していく中、住民が津波の怖さを知り、自らの命を守るきっかけになればうれしい」と口をそろえた。

 津波模型は、市街地に接する各湾で波を自動的に起こさせ、津波の浸水区域を実際に見てもらう装置。05年度から宮古湾の1万1000分の1の模型を手始めに山田湾など6カ所を製作したほか、現在は重茂(宮古市)の2カ所に取り組んでいる。【鬼山親芳】

(2010年1月13日岩手面)