優れた防災教育の取り組みを顕彰する「ぼうさい甲子園(1・17防災未来賞)」=毎日新聞社、兵庫県など主催=では東日本大震災の被災地から大賞・優秀賞に選ばれた学校が多く、「命を守る防災教育」が注目されるぼうさい甲子園となった。中学生部門では同時に2校が「ぼうさい大賞」に選ばれた。
◇津波全員無事に避難--釜石東中
岩手県釜石市立釜石東中(平野憲校長)は09、10年度に優秀賞を受賞。今年度、初めてぼうさい大賞に輝いた。東日本大震災の津波で過去2回の賞状や盾が流失していたが、今回の表彰式で再交付される。震災では校舎が3階まで浸水した。生徒は隣接の小学校児童を連れて高台へと無事に避難した。他校に間借りして授業を受けながら、地域の高齢者を訪問、花を植えるなどの活動に取り組む。
普段から「自分の命を自分で守る」▽「助けられる人から助ける人に」なる▽津波から逃げるための言い伝え「てんでんこ」の継承――を目標に活動。3月11日は校内にいた212人の生徒らがいち早く避難を始め、隣の小学校や地域の人の避難を促す結果になった。7割近くの生徒は自宅が津波の被害に遭い、避難所では名簿づくりや支援物資の運搬など自主的に活動した。
生徒らは「世界中から助けてもらった私たちができるのは、体験を広く伝えること」と各地の防災フォーラムなどに積極的に参加し、被災体験や避難について語り続けている。2年生の柏崎楓(かえで)さん(14)は「先輩たちが防災について教えてくれていたからこそ今があるし、受賞もできた。これからも、私たちの思いを伝えていきたい」と話した。【堀江拓哉】
◇2000人に意識調査 2年連続グランプリ--徳島・津田中
徳島市津田中(長江俊明校長)の生徒たちは、2年連続グランプリの一報に跳び上がって喜んだ。今年は3年生30人が夏休みを使い、海沿いの地区に住む人たちの東日本大震災後の意識を調べた。
調査では、戸別訪問や街頭での聞き取りなどによって約2000人分もの住民らの声を集め、約1カ月かけて分析した。震災直後、地区には大津波警報に伴う避難勧告が出されたが、約8割の人が避難していなかったことや避難場所の整備が進んでいないことが判明。まとめた結果は校区内に配った。
調査結果を踏まえ、生徒代表が10月、市役所を訪ね、警報を知らせる無線の増設とともに住民の要望の多かった避難場所整備を市の担当者に直接、要望した。3年生の長町侑(ゆう)さん(14)は「意識調査をしたことで、津波に対する自分たちの意識も高まった。卒業しても防災に関する取り組みを続けたい」と胸を張る。
指導する小西正志教諭(54)は「調査で地区内に独居老人が多いなど新たな課題も分かった。これからも生徒たちと前向きに活動したい」と話した。【山本健太】
「ぼうさい甲子園」の「ぼうさい大賞」を除く表彰校・団体は以下の通り。
<優秀賞>
岩手県宮古市立鍬ケ崎小、
宮城県気仙沼市立階上中、
岩手県立宮古工高、
金沢大学能登見守り・寄り添い隊「灯」(石川県)
<奨励賞>
長崎県南島原市立大野木場小、
香川県丸亀市立城辰小、
和歌山県印南町立印南中、
兵庫県立淡路高、
立命館大学国際部国際協力学生実行委員会(京都市)
<はばタン賞>
(東日本大震災を除く被災地の活動)アトリエ太陽の子(神戸市)、
水の自遊人しんすいせんたいアカザ隊(山口県)、
新潟県立柏崎工高
<だいじょうぶ賞>
(防犯にも応用できる取り組み)千葉県立東金特別支援学校
<東日本大震災特別賞>
仙台市立七郷中、
八木山中、
南三陸町立歌津中、
志津川中、
大河原町立金ケ瀬中(いずれも宮城県)
<東日本大震災支援特別賞>
山陽女子高(岡山市)、
高校生東北商店街(神奈川県)、
いわてGINGA―NETプロジェクト(岩手県)、
あなたの思い出まもり隊、
流通科学大学・RYUKA被災地復興サポートチーム、
神戸女子大Smile空間プロジェクト(いずれも神戸市)




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