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表彰式・発表会 考え、語り、築く 僕らの3・11後(その2止)

2012年2月 8日

<あすへの備え 学校・地域から発信>

 ◆グランプリ

「ぼうさい甲子園」表彰式・発表会で、活動を発表する徳島市津田中学校の生徒たち=神戸市中央区の兵庫県公館で2012年1月8日、竹内紀臣撮影

◇ 2000人調査、行政に声--徳島市津田中

 初の2年連続グランプリに輝いた徳島市津田中は、藤井初芽さんら3年生4人が登壇し、映像やグラフを交えて活動を報告した。

 3年生30人と2年生33人が学校で防災講座を受講している。東日本大震災後の住民の防災意識の変化などについて調べた。戸別訪問や街頭で得た約2000人の回答から、震災で避難勧告が出たにもかかわらず、約8割の住民が避難していなかったことや、多くの人が避難所の整備を求めていることを浮かび上がらせた。

 その結果を基に、防災意識を持続させるため避難支援マップを作製したり、避難所整備を行政に要望したことを報告。発表の結びでは「町内の人と一緒に役立つ活動をしていきたい」と力を込めた。

 ◆ぼうさい大賞3校

「ぼうさい甲子園」表彰式・発表会で、活動を発表する愛知県立日進高校の生徒と同校のゆるキャラ・洪水ミハルちゃん=神戸市中央区の兵庫県公館で2012年1月8日、竹内紀臣撮影

 ◇映画で啓発--愛知県立日進高

 2年連続でぼうさい大賞に輝いた愛知県立日進高は、いつ起きてもおかしくない東海・東南海地震に備えた「地域を守る防災教育」の成果を発表。平山貴幸さん(2年)ふんする防災ゆるキャラ「洪水ミハルちゃん」が兵庫県の防災マスコット「はばタン」と共演、会場を盛り上げた。

 ステージでは伊藤弘さん(3年)が、飛び出す英語防災紙芝居づくり、大規模地震を想定した映画製作など、市民への啓発に積極的に取り組んだことを説明した。

 伊藤さんは「東日本大震災の被災地の小中高生の取り組みに刺激を受けた。防災に関心のない生徒の意識を高めるためにも、普段からの実践や体験学習の大切さを後輩に伝えていきたい」と話した。

「ぼうさい甲子園」表彰式・発表会で、活動を発表する釜石市立釜石東中学校の(左から)柏崎楓さんと紺野堅太さん=神戸市中央区の兵庫県公館で2012年1月8日、竹内紀臣撮影

 ◇「笑顔袋」配る--釜石市立釜石東中

 08年度に防災活動を始め、09、10年度に優秀賞を受賞した岩手県釜石市立釜石東中は、東日本大震災の津波で校舎が3階まで水没する被害に遭った。紺野堅太さん(2年)と柏崎楓さん(2年)が、学校にいた生徒・教員がこれまでの活動を生かして避難したことや、避難所の運営支援、地域と関わりながら震災前から続けているボランティアなどの防災活動「EASTレスキュー」について報告した。

 震災後、花壇にチューリップを植えたり、お年寄りに合唱を披露し、非常用に薬などを入れてもらう「笑顔袋」を配ったことなどを紹介した。2人が「これからも、元気と感謝を発信し続けます」と結ぶと、会場から大きな拍手が送られた。

「ぼうさい甲子園」表彰式・発表会で、活動を発表する岩手県釜石市立釜石小学校の児童たち=神戸市中央区の兵庫県公館で2012年1月8日、竹内紀臣撮影

 ◇マップ作り奏功--釜石市立釜石小

 岩手県釜石市立釜石小は、東日本大震災前から続けていた下校時の津波避難訓練や津波防災安全マップ作りなどの活動を5年生の玉田駿佑さんと石田瑞希さんらが報告し、震災当日の体験も発表した。

 マップは通学路の危険箇所や津波避難場所を調べて地図に書き込んだもので、校舎内に複数掲示していたため「常に避難場所が目に焼き付いていた」という。

 震災当日は学校に残っていた一部の児童以外は帰宅後や下校中だったが、全員が無事に避難した。震災後は毎月11日を「釜小防災の日」としたことも報告した。

 石田さんは「年をとっても、いろんな人に津波の怖さなどを伝えたい」と誓った。

 ◆優秀賞4団体

「ぼうさい甲子園」表彰式・発表会で、活動を発表する岩手県宮古市立鍬ケ崎小学校の児童たち=神戸市中央区の兵庫県公館で2012年1月8日、竹内紀臣撮影

 ◇復興の思い、劇に--宮古市立鍬ケ崎小

 岩手県宮古市立鍬ケ崎小がある鍬ケ崎(くわがさき)地区は東日本大震災の津波で大きな被害を受けた。山根あかりさん(6年)と山根日和さん(6年)が、5年生が震災の時に役立った知恵を地域の人から聞き取った活動や、6年生が地域の復興に向け取り組んでいる人の思いを群読劇にまとめ地域の人に見せたことなどを発表した。

 店を流された人から「商売を再開するのは無理だと思ったが、おやじの作った店の看板ががれきの中から見つかった時に、また店を始めろと言っていると思った」と聞いたエピソードなどを紹介した。2人は「活動を通じ、鍬ケ崎を復旧させる一員としての自覚を持った。語り継ぐことが、防災への第一歩」と結んだ。

取り組みを発表する宮城県気仙沼市立階上中学校の生徒たち=神戸市中央区の兵庫県公館で2012年1月8日、小川昌宏撮影

 ◇テーマは「自助」--気仙沼市立階上中

 東日本大震災で学校が避難所となった宮城県気仙沼市立階上(はしかみ)中は、畠山大成さんと岩渕壱成さん(ともに2年)が発表した。日ごろ積み重ねてきた防災学習がテントの組み立てや炊き出しの準備、支援物資の運搬など避難所運営に役立った経験や、地域防災への思いを語った。

 発表は「全国のみなさんからのご支援ありがとうございます」とお礼の言葉で始まった。今年度は「自助」をテーマに活動してきた。今回の震災での浸水エリアを基に避難場所や危険箇所などを改めて確認してマップにまとめたことなどを報告した。

 最後に「未来の防災戦士として次世代をリードしていきたい」と決意を述べた。

「ぼうさい甲子園」表彰式・発表会で、活動を発表する岩手県立宮古工業高校の生徒=神戸市中央区の兵庫県公館で2012年1月8日、竹内紀臣撮影

 ◇「復興模型」製作--岩手県立宮古工高

 岩手県立宮古工業高は、東日本大震災で実習機械が津波の被害を受けた。05年から「津波模型班」の生徒が、沿岸地域の小型模型を作り、水を流して津波の浸水域を示す実演活動を続けてきた。今年度は宮古市の市街地を中心にした模型「復興模型」を作った。

 久坂拓磨(たくま)さん(3年)が、市内で起きている地盤沈下の様子について説明した。復興模型製作の目的について「多くの市民に見てもらうことで復興や新たなまちづくりについて考えてもらいたい」と話した。30日に市に寄贈する。

 生徒へのアンケート結果も紹介。「災害に強いまちづくりのために、多くの市民の意見を取り入れる」などの回答が得られたという。

「ぼうさい甲子園」表彰式・発表会で、活動を発表する金沢大学能登見守り・寄り添い隊「灯」の代表者=神戸市中央区の兵庫県公館で2012年1月8日、竹内紀臣撮影

 ◇足湯で癒やす--金沢大能登見守り・寄り添い隊「灯」

 大学生部門の優秀賞に選ばれた金沢大の学生ボランティアサークル「能登見守り・寄り添い隊『灯(あかり)』」は、「足湯を通して地域に寄り添う」と題して、真杉篤司さん(21)が壇上に立った。

 高校時代まで神戸市で暮らした真杉さんは「阪神大震災の時の恩返しのつもりで、被災地のボランティアに関わってきた」と語り、能登半島や岩手県の陸前高田市での足湯ボランティアの様子を報告した。

 活動内容は、たらいに湯を張り、足湯や手のマッサージをしながら話を聞くというシンプルなもの。活動により、お年寄りが外出する機会を作ることができるほか、悪質な訪問販売や認知症の早期発見に役立っている事例を紹介した。