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《講評》 2009年毎日農業記録賞

◇示唆に富む作品多く--角道謙一・中央審査委員長

   今年の毎日農業記録賞には、自分の経営や地域の諸問題に真正面から取り組み、解決に努力する姿を描いた作品が多く寄せられた。

 一般部門中央審査委員長賞、樋口由美子さんが、ご主人を若くして亡くした後、息子さんや地域の方々の支えを受けながら経営を立て直した記録には感動した。農業や生活の記録的な作品が減った中で、渡辺文恵さんからは戦前よりご苦労を重ねられた大変貴重な記録を寄せられた。一方、農業高校の先生や農家以外の方からも示唆に富む作品をいただいた。

 今回から、新たに農業の道に進む方を支援するため一般部門に新規就農大賞を設けた。農業を始めてまだ年月を経ない方の中から、豪雪地帯に移り住み、お子さんの言葉に触発されてヤギを飼い、循環型農業に取り組む後藤宝さんを初代受賞者に選んだ。他にも新規就農のお手本のような作品が多く、心強い。

 高校生部門では希望や新しい発想に富んだ作品が多かった。中央審査委員長賞の工藤直也さんのような熱心な後継者や、地域や家族に培われてきた農業を自分なりに個性を生かして発展させようとする高校生には頼もしさを感じた。

 わが国は依然、食への不安、後継者不足、農山村の過疎進行などに悩んでいる。半面、社会、経済が混迷している中で農業に大きな期待がかけられている今日、意欲を持って農業に携わろうとする人々を、守り育てることが重要だ。また、農業を「かっこいい・環境に優しい・稼げる」の「3K」の仕事に変えなければならない。寄せられた真摯(しんし)な報告や意見が、農業と日本社会の発展につながることを、審査委員一同切望している。

■中央審査委員(順不同)

   ◆第2次審査委員
 角道謙一独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構農業者大学校名誉校長▽大澤貫寿東京農業大学学長▽伊藤澄一全国農業協同組合中央会常務理事▽見城美枝子青森大学社会学部教授▽佐野幹男全国農業高等学校長協会理事長▽菊池哲郎毎日新聞社常務取締役主筆

 ◆第1次審査委員
 久保信春全国農業協同組合中央会広報部長▽桑島寛之全国農業協同組合連合会広報部長▽前田穣全国共済農業協同組合連合会広報室長▽佐藤典嗣農林中央金庫広報IR部長▽寺田浩章毎日新聞東京本社地方部長▽白神潤一同大阪本社地方部長▽岩松城同西部本社編集局次長▽藤田健史同中部本社編集制作総務兼報道センター室長▽渡辺雅春同北海道支社報道部長