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《一般部門》優秀賞、農林水産大臣賞、全国農業協同組合中央会会長賞

「畑仕事と農業への夢」
渡部あかりさん(34)=徳島県吉野川市、主婦


 子供のころ、父の家庭菜園を絶対やりたくなかった。栄養士になったが食材は購入する方が効率いいと思えた。
 一人息子は1歳になる前からがんで入院、3歳の時には自閉症と診断された。落ち込んでいた時に自称兼業農家の知人から話を聞くうち農業に関心が高まり、畑を借りて野菜を作り始めた。09年建てた自宅には畑があり、無農薬で育てている。息子は苦手だった野菜も食べる。親子とも畑で、体に加え心の健康をもらったようだ。

わたなべ・あかり
三重県出身。徳島大医学部栄養学科で学んだ後、愛媛県で栄養士として働く。学生時代は陸上選手で、今もフルマラソンを走る。

「百姓から百笑へ」
田畑修一さん(28)=大分県杵築市、農業


 幼いころから牛が大好きで、両親の営む酪農にあこがれていた。大学で畜産を学び、就農して7年。酪農を巡る状況は一向によくなる気配は無いが、(1)健康な牛を育てる(2)消費者とつながりを作る(3)独自の商品を作る――を目標に掲げ、模索している。自宅に子供を招き搾乳やバター作りなどさせる「酪農教育ファーム」を、地域のニュービジネスとして展開する計画も、消費者アンケートで「生産者との壁」解消が必要との結果が出たからだ。

たばた・しゅういち
大分県山香町(現・杵築市山香町)生まれ。大分県農業青年連絡協議会事務局長など2ケタの役職があり、会合に飛び回る。

「みかん経営40年を振り返って」
御手洗和世さん(63)=大分県佐伯市、農業


 ミカン農家に生まれ、21歳でミカン農家に嫁いだ。夫は農協に勤務していたので、結婚数年後に経営を任された。かんきつ類栽培面積の6割を占めていた温州(うんしゅう)ミカンを、値上がりする春まで収納できる貯蔵庫を68年に建てたり、ネーブルを植えるなど地域で先駆的な経営改善策を次々と導入。農業委員に女性を登用する運動を続け、自ら就任して家族経営協定の推進を訴えるなど「女性の声」を地域の農政に反映させる活動にも取り組んだ。

みたらい・かずよ
デコポン40アールを主力に計1・2ヘクタールで5品種を栽培する。健康のため、日本式気功養生術「生命の貯蓄体操」を約30年間、続ける。

「三時のお茶からはじまる夢」
近森ちひろさん(31)=鹿児島県枕崎市、農業


 教員の家庭に生まれ、東京に住んでいた小学生時代、農業を夢見た。夏休みに母の古里、枕崎市に行き、茶畑で飲む三時のお茶が楽しかったからだ。
 農業大学校を卒業。曲折を経て「農業は大家族で、農村という共同体で、でないとできない」と感じ、枕崎で茶畑を営む親類に受け入れてもらった。収入面で悩みは尽きない。それでも、後継者候補となった08年植えた幼木園で飲むお茶は、格別においしい。農村で暮らす幸せを感じる。  

ちかもり・ちひろ
東京都生まれ。岩手県立農業大学校卒業後、東大農場などを経て、同窓生の夫章さんとともに、鹿児島県枕崎市へ。