読んでみた

私らしく死にたい 病後の医療・暮らし・旅立ち

国際長寿センター日本編著/1500円+税/水曜社(03・3351・8768)

 終末期こそ自己決定できる環境がのぞましい、との考えから「よく生きて良く逝く」ために必要な情報を高齢期に多い疾病をモデルケースとして具体的に紹介する新機軸の読み物。

 たとえば、あなたが大学病院の物忘れ外来に行きアルツハイマー型認知症の可能性が高いと診断される。進行を遅らせる薬は飲むとして、在宅の1人暮らしを続けるのか、いつの時点で任意後見手続を開始するのか、さらに胃ろうを増設するのかどうか。必要な準備、選択肢、その後に起きることなど必要な情報を分かりやすく例示する。

 それでも本人にとってベストの道は人それぞれ。養老孟司、樋口恵子、黒川由紀子ら各氏9人の「私はこう考える」が示唆に富み、読みごたえがある。