読んでみた

小さなことの積み重ね 98歳現役医師の“元気に長生き”の秘訣

高橋幸枝著/本体1100円+税/マガジンハウス(049・275・1811)

 あるいは目新しいことは書いていないのかもしれない。しかし98歳の現役医師が自分の頭で考え実践してきたことの重みと説得力は、読み手の心をきっと動かすはずだ。

 「昨日食べたものや会った人、出来事を思い出す。そうすることで浅い記憶をより深く脳に刻めます。それがもの忘れ防止に役立つと信じています」「午後に数字パズルをします。脳にいいかどうかは不明ですが、少なくともリラックス効果は抜群、完成すると達成感もあります」「きょうは肉が食べたい、お酢の料理を作ってみよう。ちょっと座って足をブラブラさせよう、頑張って休まず階段を上ろう。情報に振り回されることなく、からだの中から聞こえる声に耳をすまし、生きてきました」。読みやすく心に響く言葉がいっぱいだ。