読んでみた

やさしすぎるあなたがくたびれないための介護ハンドブック

東田勉著/本体1500円+税/大和書房

 突然、自分の家族の介護が必要になったときにどうしたらいいのか。働きながら介護を続けるためにはどんな工夫が必要か。無理のない方法で、できるだけ「くたびれない」介護を教えてくれる本。分かりやすい文章の上、イラストや図表が豊富。「認知症の介護」「仕事との両立」など、テーマ別の項目もある。

 まず「介護は親のお金で」という原則が示される。必要な費用と使えるお金の見通しをきちんと調べる必要がある。注意すべきは、日本の福祉は徹底した「申請主義」だということ。申請しないと介護保険などによるサービスを受けられない。そのため、介護者は自力で情報を集める必要がある。少し大変だが、情報こそ力なのだ。

 本書を読めば、制度を利用するための基礎知識が分かるようになっているが、それではまだ不十分。自治体によって運用に差があることが多いからである。例えば「遠距離介護を計画している人は、親が住む市区町村のパンフレットを手元に置く」ことが大事だという。