読んでみた

なにぶん老人ははじめてなもので

中沢正夫著 1800円+税(柏書房)

 老いの本質を「もっとも人間らしい人間になること」と規定、介護保険を「高齢者という大きな群れを効率よく仕分ける思想が--動物の群れを仕分けるごとく--働いているのがよくわかる」と断じる1937年生まれの精神科医が、「自分を対象に老いを科学するのは存外、楽しいことである」と書いた1冊。カミさんの話、終の○の話、診察室を訪ねる患者の話など身辺に起きたできごとから老いを考察している。作家・椎名誠さんとの「老化対談 ワシらも老いについて考えた」も収録。

2001年 財団報「新時代 New Way of Life」より