読んでみた

書くだけで発見・予防・改善!さよなら認知症 文字トレ

石崎白龍著、濱崎清利監修/徳間書店/税込み1485円

 10万字以上の文字を診てきた筆跡診断士と脳神経外科医が組んで創作した「文字トレ練習帳」である。文字を診れば脳の異変に気付くことができ、認知症の早期発見にもつながるという。

 認知機能低下のサインは文字に現れるという。一例を引用すると、3つのマスの中に漢字の「口」を3回書いてもらう診断がある。この場合、漢字の線は全てつながり、線と線の間には隙間(すきま)がないのが望ましい。ところが、「口」の字の下辺の左側に間が空く人は軽度のもの忘れが疑われ、下辺の左右両方に隙間がある人は頻繁にもの忘れをしている可能性があると指摘している。

 他にも間違ったり、引っかかったりした文字を点検すると、記憶障害、見当識障害、実行機能障害などの認知症の典型的な症状のうち、どれにあてはまるのか確認できるとしている。早めに症状に気付き、状態に沿った文字トレにより脳の活性化を促すという。