読んでみた

アルツハイマー ある愛の記録

アン・デヴィッドソン著、小沢瑞穂訳、2400円+税(新潮社)

 1990年夏、言語セラピストの著者は医者から7歳上の米・スタンフォード大学教授の夫(59)が、「進行性痴呆症の初期で、今後は普通の生活ができなくなる」と告げられた。アルツハイマーであることを知った夫は、「言葉がどんどん消えていくんだよ」と話す。妻は、この病気が夫婦に及ぼす影響について日記をつける。92年夏からの1年間の記録が本書となったが、妻は最後に、夫が「私のことを忘れる日が来ることは、考えないようにしている」と書いた。

2003年 財団報「新時代 New Way of Life」より