読んでみた

痴呆を生きるということ

小澤勲著、740円+税(岩波書店)

 「痴呆を病む、痴呆を生きる」「痴呆を生きる姿」「痴呆を生きるこころのありか」「痴呆を生きる不自由」「痴呆のケア」の5章と終章からなる本書の著者は、精神科医で種智院大学教授。長年、痴呆のケアにかかわる。冒頭、「痴呆の悲惨と公明をともに見据えるために、また、生と死のあわいを生きるすさまじさと、その末に生まれる透き通るような明るさを伝えるために、この一文を書く。彼らに少しでも報い、彼らの思いを世に伝えるために」と執筆の思いを記している。

2003年 財団報「新時代 New Way of Life」より