読んでみた

親の『ぼけ』に気づいたら

斎藤正彦著、1750円+税(文春新書)

 精神科医の著者がこの本で伝えたいことは2点あると言う。1は「痴呆性疾患の介護は、<痴呆老人>という種類の人々に対する一方的なお世話ではなく、不運にも痴呆性疾患という病気になってしまった、かけがえのない個人への援助」、2は「客観的な知識と冷静な観察があれば、科学的介護の工夫ができる。せっかく介護するなら楽しくやろう」。アルツハイマー型痴呆と診断された男性の経過を追って、「病気の始まり」から順に「終末期のケア」まで14章に分けて書き進められている。

2005年 財団報「新時代 New Way of Life」より