読んでみた

若年期認知症 本人の思いとは何か

呆け老人をかかえる家族の会編、1800円+税(クリエイツかもがわ)

 副題が「松本照道・恭子夫妻の場合」。編者は05年6月、京都で「認知症を知る講演会」を開催。その際、若年期認知症を患っている照道さん(56)は、「妻・恭子さんの介添えを受けながら自らの思いを語ってくれるはずだった」が、登壇したものの果たせなかった。「代わりに恭子さんが11年間のつらかった思いを語ってくれた」。「なぜ語れなかったのか、何を語りたかったのか」。照道さんが準備した原稿、講師の小澤勲・種智院大学客員教授による講演「『ぼけ』をかかえて生きる」、夫妻、主治医へのインタビュー、関係者座談会などをまとめた。

2006年 財団報「新時代 New Way of Life」より