読んでみた

満足死ー寝たきりゼロの思想

日本経済新聞社編、800円+税(日本経済新聞社)

 人はいずれ死ぬ。死が避けられないものならば本人が納得し、看取る家族も、医療側も満足するような死があってもいいのではないか。自分で創る死、自分が望む死が求められている。死ぬまで元気で暮らし、自宅でぽっくり死にたい。そんな満足死を提唱しているのが、80歳を超える現役医師、疋田善平だ。高知県の片田舎で僻地医療一筋に半生を捧げ、「全村病院構想」、「お通夜教室」などのユニークな医療で地域の寝たきりをほぼゼロにする一方、大幅な医療費削減を実現した。その生き様を大宅賞作家が追った。超高齢化社会を迎えた今、老医師の挑戦と実践は傾聴に値する。

2007年 財団報「新時代 New Way of Life」より