読んでみた

ブログ認知症一期一会 認知症本人からの発信

水木理著・認知症の人と家族の会編、 1400円+税(クリエイツかもがわ)

 認知症の人たちが変わりつつある。最近では、人前で講演したり、テレビに出たり、本を書く人も出てきた。著者の水木さんもそんな一人だ。こうした認知症の人たちの勇気ある行動で、認知症に対する社会の認識も変わりつつある。水木さんは、2005年3月、知り合いの医師から「やがて車に乗れなくなりますよ」といわれ、4月には「アルツハイマー病の初期です」と正式に認知症の告知を受けた。68歳の時である。もの忘れがひどく、漢字が思うように書けない。将来への不安と焦燥感。そんな中で05年11月、自分のブログ「認知症一期一会」を立ち上げた。告知を受けてからの思いや日々の暮らしなどを綴り、共感を呼んだ。本書はプログの中から100本を選んで収録している。認知症の人たちの思いが伝わってくるようだ。

2008年 財団報「新時代 New Way of Life」より