読んでみた

認知症のケア

長谷川和夫 編著、3000円+税(永井書店)

 世界に類例を見ない猛スピードで超高齢化の道を歩む日本。認知症高齢者の数は日々増え続け、2030年には300万人を突破する勢いだ。これに合わせ介護の現場では様々な課題が山積している。中でも認知症高齢者のケアは、最も困難な問題の一つだろう。家族介護はもちろん、介護専門家による介護にしても日々のケアに大きな負担が求められる。これまで、多くの人たちは「認知症になると何もわからなくなる」という誤解を抱いてきた。しかし、認知症の人たちは、私たちに様々なメッセージを送り続けている。彼らが日ごろ何を考え、どう行動しているかを理解することは、認知症ケアの基本といってもいい。本人の思いや意向、可能性を重視したケアが今、求められている。本書は、認知症についての基本的な事がらから介護家族への支援、ケアの実際的な技法まで細かく網羅している。認知症のケアをやさしく学ぶ介護家族やケア専門職のための必携の書だ。

2008年 財団報「新時代 New Way of Life」より