読んでみた

認知症ファミリーブック

森秀生著/1500円+税/日本評論社

 同じ出版社から「パーキンソン病ファミリーブック」を出版している著者の新刊。地域医療に近い現場で大勢の外来患者に接する中で、自身の学問的興味以上に、病気や対処法に関する知識をきちんと患者本人と家族に知らせる必要性を感じたことが執筆の動機になっている。

  そのため認知症とはどんな状態かという解説から、患者の問題行動の分類、治療法の最新情報まで、分かりやすく記述している。

  患者を支える家族や介護者、医療従事者を後押しする内容を心がけたという。

  最終章の「認知症に少しでもならないために」では食事や運動、趣味、社会的活動への注意点が挙げられているが、高血圧や糖尿病など生活習慣病への対策を中年のときから実施しておくことが一番と強調している。

財団報「新時代 New Way of Life」63号より