読んでみた

わかりやすい認知症の医学知識

長谷川和夫著/ 1600円+税/ 中央法規

 長谷川式認知症スケールで知られる著者が介護の専門職や関連職場の人に医療の基本知識をわかりやすく解説した本だ。

 著者は認知症のケアの目的を「認知症の人が失った絆を新しく創ること」と力強く宣言する。そのために必要な知識、たとえばアルツハイマー型認知症の特徴、告知、予防や診断と治療の概略をわかりやすく簡潔に説明していく。

 また地域ケアが広がっていく現状に合わせ「介護する家族への支援」につながる記述にも大きくスペースを割いている。

 そして専門性を豊かにするために知識、技法、心の三つの要をあげ、それが現場で一つになって進化するよう願う。そのための座右の書として本書が活用されることを望んでいる。

2011年4月 財団報「新時代 New Way of Life」66号より