読んでみた

認知症のケアとお薬のガイドブック

諏訪さゆり編著/1000円+税/ワールドプランニング

 書名の通りの認知症に関するガイドブックだが、この本を手に取った人たち(認知症の家族から医療、介護の専門職まで)が、ここで得た知識やヒントをすぐ活用し連携できるよう分かりやすくまとめている。現場を知り尽くした編著者たちが、自ら求めていた、脇に置いておきたいガイド本だ。

 介護でもっとも負担を感じる徘徊や妄想などのいわゆる周辺症状(BPSD)の抑制に使う薬の解説は、薬の一覧表からケアと薬をどう併用するかを説明するケーススタディーまで紹介され具体的。

 また24項目からなる「生活リズムチェック表」は介護者が薬の効果や副作用を確認するのに便利。認知症になっても安心して穏やかに暮らしてほしいとの願いが本の隅々にまで込められている。

2011年 財団報「新時代 New Way of Life」より