読んでみた

毎アルツイート・マミー

関口祐加著/1900円+税/パド・ウィメンズ・オフィス(03・5292・8200)

 「毎日がアルツハイマー」1・2で認知症の母親にカメラを向け、世間体から解き放たれつつある母親の新しい魅力を描き出した映画監督の書籍版第2弾。

 認知症は徐々に進んでも母親宏子さんの受け応えは絶好調。例えばこんなふう。「おいくつになりましたか?」と問う脳神経外科医に「いやだ〜女性に年を聞いちゃイケマセン」。すかさず「いや、これはテストなんで……」と続ける先生に「年は覚えないようにしてます」と返し、まったく動じない。

 本著はこんな日々のやりとりをスナップ写真代わりのツイートでつづった貴重な記録集だ。

 巻末には気鋭の精神神経科医、上田諭講師との対談もあり、著者がイギリスまで行って見てきたパーソン・センタード・ケアの考え方、つまり認知症の人を人間として尊重し、その人の立場に立って理解し、ケアを行うという考え方で意気投合する。