読んでみた

人生は80歳から

広瀬信義著/1100円+税/毎日新聞出版(03・3212・3257)

 副題に「年をとるほど幸福になれる『老年的超越』の世界」とあるように幸せ感を高めていくメカニズムをさまざまなデータから説き起こしていく。その解説も興味深いが、100歳以上を指す百寿者が語る幸せ感がすごい。

 Q 生きていても仕方ないと思うことがありますか? A ない。死んだら何もできないじゃないか。 Q 寂しいと感じますか? A 感じない。家族とよく温泉に行くから(実際にそういう事実はないが本人はそう思っている) Q いろいろなことを心配しますか? A 昔は心配したが、もう心配してもどうしようもないので心配しないようにしている。

 105歳以上の超百寿者の調査で気づいたのは、よく食べられることと風邪をひかないことという。当たり前と言えばまさにその通りだが、かみしめたい言葉だ。