読んでみた

みんなで学ぼう その人を中心にした認知症ケア

長谷川和夫・中村考一著/1500円+税/ぱーそん書房(03・5283・7009)

 A4判100ページ余りの小冊子ながら、介護職員や家族介護者の視点で認知症ケアの極意を分かりやすく多面的にまとめている。それを可能にするために、本書は各事例を紹介する時に、まず「原因を考えてみましょう」の欄で原因を推測した後、「ケアのコツ」の欄で原因に合わせたケアを考える。さらに「寄り添う視点」ではケアする上で欠かせない大事な視点を説く。その視点とは、その人らしさを中心に置くケアということだろう。

 本書を読み進めて介護技術を高めるだけでなく、自身の成長を感じてもらうことを本書は目指している。

 事典として使うことができるほか、食事、入浴、排せつなどの行為ごとに参照したり、またはケアの視点に合わせて読むこともできる。