コラム「母をみとる」

「アルツハイマーマー総集編」完成!



(C)関口祐加2022

 昨年の5月より取り組んできた短編ドキュメンタリー映画「毎日がアルツハイマー総集編」が、ついに3月25日に完成しました! 最終尺(放映時間)は、30分を大幅に切って23分42秒です。

 まず最初に、この短編映画に寄付金をお寄せくださった皆様に心より御礼を申し上げます。また、リモートにはなるかとは思いますが、この「毎アル総集編」の上映会を私の講演付きで開催する予定です。映画の尺が30分以内ですので、私の講演を入れて1時間程度という理想的な時間配分になると思います。

 この新作は<総集編>とあるように「毎アル」シリーズの3作品をギュッと凝縮したものです。過去の3作品をご覧になられた方は、懐かしいと思われるかも知れません。同時にたくさんの気づきが、次々と出てきます。その辺りを意識して編集し、学習的要素のテロップも入れてみました。

 手前味噌になりますが、長い間本編の編集に関わってきた編集部でさえ、全く飽きないという出来になったと思います!それは、尺が短くなった分、亡くなった母の個性が息つく間もなく炸裂し、母から目を離せないからです。改めて母は、最高の被写体でしたね!

 この映画の副題は「認知症ケアにおけるパーソン・センタード・ケアとは」です。私は、この唯一無二と考えるようになったパーソン・センタード・ケアという認知症ケアの概念に出合ったお陰で、母の望む通り、最期の時まで在宅のまま看取りが出来たと言っても過言ではありません。母の介護者として、しっかりと母と向き合い、同時に1人で抱え込まず、関口チームを作り、母も私も追い詰められない介護ができたと思っているからです。

 映画の中でも強調されますが、認知症ケアのエッセンスは、予測不可能であり、マニュアル対応や、普通の常識を持っていても必ずしもできるものではありません。高度なスキルなのです。つまり、認知症になっても一人ひとりの個性を深く理解し、その人だけのニーズに合ったケアを導き出し、実践する力が求められます。ここが認知症ケアの究極的な目標なのです。

 そんなケアのあり方を今一度模索する新作「毎日がアルツハイマー総集編」を私ともどもよろしくお願いいたします。(宣伝部は、<「毎アル総集編」上映+講演で、お得なパッケージを考えているようですよ!)

 詳細は、「毎アル」友の会事務局まで。

 Tel: 090-6187-7110▽Fax: 03-6730-9652▽Mail:

2022年4月