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「毎日がアルツハイマー」続編制作決まる

関口祐加監督

 認知症の母親にカメラを向けたドキュメンタリー「毎日がアルツハイマー」(関口祐加監督)の続編制作が決まった。

 同作品は関口監督がアルツハイマー病と診断された母と暮らす日々を2年半にわたって撮影。ともすれば介護の悲惨さに目が向きがちな現場で、孫も巻き込み笑いの絶えない家族の姿をとらえた作品は、「今までの認知症介護の常識に風穴を空けてくれた」と評判を呼び、昨年7月以来、全国で順次公開され、現在も自主上映会や講演とセットの上映イベントが続いている。

 認知症の人を描いた映画は増えているが、同作品では順天堂大学大学院医学研究科精神・行動科学の新井平伊教授や国立長寿医療研究センターの遠藤英俊先生という2人の専門医が随所に登場し、残された脳機能の役割の大きさと、周囲の関わりの大切さについて的確なコメントをしているため、介護を前向きにとらえて理解しやすい内容になっている。

 ポスター=写真(イラスト・三田玲子、デザイン・宮坂淳)=にもあるように、続編の主演はもちろん監督の母親宏子さん。関口監督は「毎日がアルツハイマー」の完成・公開後も母親を撮影し、その後の様子をYouTubeにアップし続けており、累計の視聴数は間もなく50万ビューに達しようとしている。

 続編では母親の変化を起点に、前作とはまた別の視点から描かれる予定。6月には通所デイサービスでの撮影も始まる。9月21日の「世界アルツハイマーデー」までの完成を目指すという。

2013年6月