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「認知症110番」の相談記録票データベース化完了

今後は統計分析を本格化

紙の相談記録票の内容をサーバに入力していく担当者
紙の相談記録票の内容をサーバーに入力していく担当者

 認知症予防財団の「認知症110番」に寄せられた開設以来の22年分2万1000件を超える相談記録票をデータベース化する事業が、着手以来1年4カ月を経てようやく完成した。B4判の記録票にビッシリ書きこまれた相談内容をすべて入力し終えたことで、今後は統計分析を本格化させ、各種の報告書やガイドブックの刊行を通じて、認知症の本人や家族の悩みを少しでも軽減する一助になることを目指す。

 入力作業の終了を待たずに3月に出したガイドブック「これって認知症ですか」は、最初に読んでもらう冊子と位置づけ、読み切れる分量(A5判18ページ)とイラストを見ただけでスッと内容が理解できる読みやすさを心掛けた。福祉専門新聞や財団報等で紹介されると、問い合わせの電話が相次ぎ、当初刷った1000部がすぐ底をつき、増刷分の500部も順次希望者にお送りしている。

 同じく3月に発行し「『認知症110番』で見る日本の介護事情」と題された報告書(A4判50ページ)は過去22年の日本社会の変化が分かるようなデータが多い。

 財団では相談内容とそれへの助言内容が詳細につづられた記録票の最も重要な部分の入力を7月末までにすべて終えたことで、より多彩な統計分析を行い、報告書やガイドブックのシリーズ化を視野にデータベース化事業の本格化を進めていく。

 「認知症110番」は1992年にアフラックの協力を得て開設し、昨年10月累計の相談件数は2万件を超えた。
 また本の刊行を含めた電話相談記録票のデータベース化事業は競輪の補助事業として2年目に入っている。

2014年8月