「認知症110番」の電話相談員が自ら編集し、読み切れる分量(A5判18ページ)と、イラストを見ただけでスッと内容が理解できる読みやすさを心掛けた「認知症入門ハンドブック」のシリーズ5と6が完成した。在庫が無くなり希望者の要望に応えられなかったシリーズ1〜4も増刷し、1月中に6冊セットの販売も始める。
2013年から始まった認知症入門ハンドブックシリーズの刊行は、これまで「これって認知症ですか」(シリーズ1)、「どうしたらいいの? 認知症」(同2)、「家族ができること……認知症」(同3)、「ウソ! まさか! なぜ? 認知症」(同4)まで刊行し、ちょうど丸3年となった昨年3月末の総発行部数が累計で1万部に達した。
好評の理由は、相談員が相談者に寄り添い悩みを受け止めるという相談員目線の低さが挙げられる。読者からの感想も「症状の説明だけでなく、周りの人の対応についても複数の方法が紹介されていて良かった」「初心者に分かりやすい」「絵が明るくて気持ちが前向きになる」など好意的だ。
その一方で、「近くに地域包括支援センターという相談所があることも、その1冊だけでなくすべての冊子に載っていると安心してもらえる」等の注文も寄せられ、それらの声を生かしつつ、シリーズ5、6を編集した。
シリーズに新たに加わる5の「認知症の人とのかかわり方」は「暴力をふるいます」「大声を出して困ります」「介護を嫌がります」「運転をやめてくれません」といった相談事例をあげ、どのような対応を勧めているかを紹介している。
またシリーズ6の「みんなで支え合う 認知症」では「家族支援のヒント」「貯金残高が無くなった!」「認知症についての相談窓口」「ニヤリ ホッと」を紹介。とくに最後の「ニヤリ ホッと」は、お年寄りが経験する、重大な災害や事故には至らないものの、危険一歩手前の事例を指す「ひやり ハッと」をもじって、電話相談の中で思わずほほ笑んだり、心がホッと和む、認知症の人たちの発した言葉や行動を紹介。介護の中でも心を癒やされることがあることを例示している。
このシリーズは競輪の補助金を受けて制作し無料で希望者にお渡ししてきたが、毎回、予定している冊数の3倍近い希望者がいて経費もかなりかさむため、限られた部数しか送ることができなかった 。また「勉強会で使いたい」「セミナーの参加者全員に配りたい」「社員に持たせたい」「有料でもいいから、もっと印刷してほしい」との要望も多いことから、バックナンバーの増刷分も含め、すべて有料でお分けすることにした。
シリーズ1〜6の各号いずれも1部100円+税(各号併せた6冊セットは600円+税、送料別)。
はがきに郵便番号、住所、氏名、電話番号、シリーズのご希望の号と部数を明記し〒100-8051、東京都千代田区一ツ橋1-1-1、毎日新聞社内、認知症予防財団ハンドブック予約係へ。はがきを受け取り後、財団がハンドブックを配送。同封の払込取扱票でゆうちょ銀行または郵便局からお支払いください。
「認知症は見えないけれど病気ですよ!」「どのような症状なのかしら?」「こんな相談がありました」「認知症も病気ですから病院へ行きましょう」「かかりつけ医がいれば」「どうしても医療につながらない時は」「一人でかかえこまないで!」
「通帳がない」「食べてない」「デイサービスに行かない」「薬を飲んでない」「ちょっとした工夫で…生活が楽になります」「心は通じ合えます」
「夜中にゴソゴソしています」「娘の私がわからない」「自分の家なのに帰りたがる」「夏なのにセーターを着ます」
「お風呂に入らない」「着替えてくれません」「何でも拾って集めている」「あっ!うんちを……」
「暴力をふるいます」「大声を出して困ります」「介護を嫌がります」「運転をやめてくれません」
「家族支援のヒント」「貯金残高が無くなった!」「認知症についての相談窓口」「ニヤリ ホッと」
2017年1月