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アロマオイルと回想法で認知症予防 自分史ノートいかが

脳活・ライフビューノートのイメージ図(左)と中のページに予定されている懐かしい昭和の風景画(右)

 認知症予防の決定版というお墨付きを得られたわけではないが、専門家からも勧められることの多い回想法やアロマオイルを取り入れた自分史ノートを大阪の印刷・出版会社が開発した。特許の申請も済み、年内の販売を目指している。

 この会社は、紙媒体を中心に、デジタルコンテンツの制作も手がける新聞印刷と、その姉妹会社で「孫たちへの証言」等の本を長年、編集発行している新風書房(どちらも大阪市・天王寺区)。

 新風書房は自分史ノートを発行し、同社の福山琢磨社長は大阪や東京のカルチャー教室等で自分史講座を30年以上続けている自分史の草分け的存在の1人。

紙を触ると アロマの香りが出て嗅覚を刺激

 また、福山さんの三男が経営する新聞印刷はインクが欠かせない業種。インクの中にアロマ香料を極小のカプセル状にして閉じ込め、印刷した紙に指が触れるとマイクロカプセルが自然に壊れアロマの香りが出てくるという仕組みを考え出した。

 アロマオイルの中には嗅覚を刺激する成分があり、これを取り入れることで認知症の予防と抑制に効果があると鳥取大学の浦上克哉教授が提唱。アルツハイマー型認知症の場合、もの忘れより先に臭いが分からなくなるという研究もアメリカで発表され、嗅覚を刺激するアロマオイルの活用が注目されている。

昔を思い出し 聞いてもらうことで癒し効果

 一方、自分史ノートは昔のことを思い出しながら書くのが基本。そこに家族が1対1で聞き手になったり、介護施設などグループでコミュニケーションをとりながら進める回想法を取り入れることで、より刺激が強まり、また共感しあうことでお互いに絆を深め癒しをもたらす効果があるとされている。自分の過去の話を他の人に興味をもって聞いてもらうことは自己肯定感を高めることにつながり、抑うつ感の改善や精神の安定も期待される。

 アロマオイルと回想法の効果をダブルで取り込もうと、新しい自分史の名前も「脳活・ライフレビューノート」に変更する。

 問い合わせは新聞印刷(電話:06・6768・4651)。

 また、4月20日(木)〜22日(土)大阪市住之江区南港北のインテックス大阪で開催の「バリアフリー2017」の会場で「脳活・ライフレビューノート」の試作品も展示される。地下鉄・ニュートラム「コスモスクエア駅」よりインテックス大阪まで無料シャトルバス運行。

2017年4月