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「健脳」体験講座 音楽、運動、食事で認知症予防 3月11日オンラインで

健脳カフェで体操

 一般社団法人「生涯健康社会推進機構」(理事長・金指潔東急不動産HD会長)は、認知症予防財団と共催でオンライン形式の体験型講座「いきいき健脳をつくる」(後援・毎日新聞社)を3月11日(金)に開く。専門家が指導する運動や音楽などのプログラムを画面を通して体験できる。午前の部(10〜12時)と午後の部(14〜16時)の2部制でどちらも内容は同じ。希望者は3月7日までに認知症予防財団のホームページなどを通じて申し込む。無料。

 中継は、昨年東京・四谷(新宿区左門町)にオープンした認知症予防カフェ「健脳カフェ」から行う。認知症リスクのある人を早い段階から見いだし、予防に結びつける「先制医療」を掲げる新井平伊・アルツクリニック東京院長(順天堂大名誉教授)が開設し、監修を手がけている。

 健脳カフェには運動、世代間交流、対人ゲーム、カラオケなど脳機能に働きかける幅広いセッションが用意されている。専門医が常駐しているほか、認知症になる前のSCD(自分だけが感じる主観的な認知機能低下)やMCI(軽度認知障害)の人の発症を遅らせる「二次予防」を中心としているなど、通常の認知症カフェとは一線を画している。

 今回のオンライン講座で体験できるのは、①音楽健康指導士による、脳と身体機能の向上につながる「音楽健康セッション」②マシンを使わず高齢者でも筋力向上ができる運動プログラム「ラクティブ」③認知機能と関わりの深い食事や栄養、腸内フローラ(細菌)に関する教室「健幸サポート栄養士セミナー」−−の三つ。いずれも日ごろから健脳カフェで行われているプログラムだ。

 これらの「体験講座」に先立ち、新井氏が早期の認知症予防や発症リスクを低減させるのに役立つ最新情報を中心に話す。続いて、上智大学の松田修・総合人間科学部心理学科教授が「認知機能低下と共に生きるための工夫」について認知リハビリテーションや臨床心理学の立場から講演する。松田氏が指導する学生は、同カフェの来場者を相手に心理療法を応用しながら世代間交流をしている。

 また、講師や参加者らによるフリートークもある。チャットで質問をすることもできる。参加者数に制限は設けない。認知症予防財団や生涯健康社会推進機構のホームページのほか、直接次のURLから申し込むこともできる
https://v2.nex-pro.com/campaign/38403/apply?group=kennou

 新井氏は2019年、アルツクリニック東京(東京都千代田区)に、脳内の認知症の兆候を極めて早期に発見できるPET(陽電子放射断層撮影)を活用した「健脳ドック」を開設した。ただ、認知症リスクを早期に発見しても進行を防ぐ方法をどう日常生活に取り入れていいか分からない人が多いことから、21年4月に「健脳カフェ」を開設していた。カフェの問い合わせは070・1067・3512へ。

2022年2月