トピックス

アルツ治療に米ぬか成分/東京歯科大市川病院が臨床試験

 東京歯科大学市川総合病院(千葉県市川市)は、アルツハイマー病(AD)の治療に、米ぬかの成分が効くかどうかを調べる栄養療法の臨床試験を実施しており、試験への参加者を募集している。

 同病院はアルツハイマー病の治療に関して薬以外の選択肢を広げることを目指し、米ぬかに着目した。米ぬかに豊富に含まれるポリフェノールの一種、フェルラ酸についてはアルツハイマー病の原因物質とされる脳内のアミロイドβ(Aβ)を減少させた動物実験の例や、ヒトの認知症の行動・心理症状(BPSD)に有効である例などが報告されている。同病院の宗未来・精神科准教授は米ぬか成分の医学的効果を検証するため、軽度のアルツハイマー病患者320人を募集し、臨床試験を実施することにした。

 試験への参加者募集は2027年3月までの予定で、試験期間は約1年。参加者は米ぬか成分入りのサプリを飲むグループとプラセボ(偽薬)を飲むグループに分けられる。毎日、サプリを飲んだうえで、試験開始時、半年後、1年後の3回にわたり、1回1時間半程度、生活の質から認知機能に至るまで幅広い分野の心理検査を受ける。介護者にも当事者の様子に変化があったか、介護の負担度が変わったかなどを聞き取る。

 参加者は65〜85歳、軽度のAD(洋服を適切に選んで着ることができる、自発的に入浴できる)で抗認知症薬、ドネペジル(アリセプトなど)を1日5ミリグラム服用していることなどを条件としている。3カ月に1回、計5回来院する必要があるが、通常自費で数十万円かかる脳画像検査と、脳内Aβの血中濃度の無料測定を受けられる。お問い合わせ、申し込みは電話(047-707-3377)か、メール()で同病院精神科 認知症米ぬかサプリ研究事務局へ。

2023年8月