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ハンドブックと生活ノート好評 軽度認知障害やさしく解説

MCIハンドブックと生活ノート

 厚生労働省研究班がまとめた「あたまとからだを元気にするMCIハンドブック」とその別冊、「生活ノート」が好評だ。ハンドブックは認知症手前のMCI(軽度認知障害)に関する情報が満載で、生活ノートは認知機能の維持に役立つ身体活動や食生活を実践したか否かを記録できるようになっている。非売品。国立長寿医療研究センターのホームページから無料で閲覧、ダウンロードできる。

 ハンドブックは全116ページ。認知症、MCIの説明や糖尿病など認知症リスクを高める病気、運動と認知機能の関係から食事や脳トレまで気になる38の問いに易しく回答している。イラストもふんだんで、デマやよくある誤解への解説なども充実している。

 一方、生活ノートの方は、ハンドブックで紹介した認知機能の維持に効果がある身体活動や食生活、社会・知的活動に関する毎日の取り組みを記録できる「日誌」だ。大半は○×で記入できる。

 同センターはこうした各種活動の効果を裏付ける調査も手がけ、昨年結果を公表している。MCIの高齢者531人を対象とした、名古屋大や東京都健康長寿医療センターなどとの1年半にわたる共同研究で、ハンドブックで取り上げたような運動や食事などの生活改善に取り組めば認知機能は維持、改善されることが分かった。

 生活改善プログラムに取り組んだグループとそうでないグループを比べると全体では統計学的に有意な差はなかった。しかし、対象者をアルツハイマー病の危険因子とされる特定遺伝子を持つ人に絞ると、プログラムの実践が認知機能維持に効果のあることが分かった。また、運動教室 (週1回90分、全78回)に参加した人は認知機能の改善に加え、歩行速度など多くの身体機能もよくなり、フレイル(虚弱)の割合も減ったという。

国立長寿医療研究センターのホームページ
https://www.ncgg.go.jp/ncgg-overview/pamphlet/index.html

2024年2月