反政府武装勢力にいた時のことを語るニコラス・カバンダ君(仮名)。時折鋭い表情を見せた=コンゴ民主共和国東部ゴマで2009年6月8日、森田剛史撮影
ここでは少年25人が家具づくりを学んでおり、他の少年もカンナやノコギリを置いて集まってきた。キズングさんは5歳で兵士になったと語り、「やっとの思いで故郷に逃れたら、家族や友達に拒絶された。誰も助けてくれない」と訴えた。
同国では約15年間も紛争状態が続き、兵力を補うために、多くの子どもが無理やり兵士にさせられた。ユニセフは04年から、自ら国連施設に逃げ込んだり、NGOの仲介などで武器を捨てた子どもを支援しているが、その数は約3万人に上る。
「技術を身に着けても、道具すら買えない」。11月に出所する予定のベナス・ガラゴンバさん(18)は10歳の時、両親の目の前で民兵組織「マイマイ」の兵士に誘拐され、武器を持って戦場に立つことを強いられた。組織から逃れて5年ぶりに自宅に戻ったが、両親は最初、息子と分からず、「死んだと思った」と言ったという。
コンゴ民主共和国地図
ユニセフが支援する教育施設「カジェド」(北キブ州ゴマ)。2カ月前から算数などを学ぶニコラス・カバンダ君(13)=仮名=は「勉強できてうれしい。友達もできたし、トランプが一番楽しい」とあどけなさを見せた。しかし、武装勢力「ルワンダ民主解放勢力(FDLR)」の兵士に誘拐された07年9月後の記憶をたどると、瞳は力を失った。「豆ばかり食べ、ジャングルで寝て……」。少年は途中で、呼びかけに応じなくなった。
【田中龍士】=つづく