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世界子ども救援キャンペーン/ コンゴ民主共和国

世界子ども救援キャンペーン
栄養失調になり泣き叫ぶ国内避難民のクシラ・ハラちゃん。4日後にその短い生涯を閉じた=コンゴ民主共和国南キブ州のミノバキャンプで2009年6月10日、森田剛史撮影
栄養失調になり泣き叫ぶ国内避難民のクシラ・ハラちゃん。4日後にその短い生涯を閉じた=コンゴ民主共和国南キブ州のミノバキャンプで2009年6月10日、森田剛史撮影

 避難民キャンプで出会った生後6カ月の女の子は、その4日後、栄養失調から、病院で息を引き取った。あまりにも短い生涯。しかし、地域紛争の続くコンゴ民主共和国では珍しい光景ではない。

  昨年10月、北キブ州ビシャンゲにあるフィティナ・キビキテさん(40)の家を武装勢力のルワンダ民主解放勢力(FDLR)が襲った。家族で数キロ離れた南キブ州ミノバのキャンプに逃げ、クシラ・ハラちゃんを出産。しかし、キビキテさんは空腹とコレラや気管支炎などの影響で母乳が出ず、ハラちゃんは栄養失調になった。

 6月10日、キャンプの診療所で会った時、体重(2・4キロ)は標準の約3分の1。浮き出たあばら骨の上で皮膚が呼吸の度に小さく動く。小枝のような手足は小刻みに震えていた。

 医師は「ここでは風邪程度の診察しかできない」と転院を勧めた。キビキテさんに頼まれ、車で2人を山道を約30分走ったミノバ総合病院に運んだが、後日、この医師からのメールで、14日にハラちゃんが亡くなったことを知った。

コンゴ民主共和国地図
コンゴ民主共和国地図  
 「脱水症状と下痢がひどく、物をのみ込む力もなくなっていた」。総合病院のマリーポール・チリムアミ医師(32)に最期の様子を聞いた。鼻から通したチューブで抗生物質入りのシロップを注入するなど手を尽くしたが、体温は下がり、深夜に息を引き取ったという。

 キビキテさんの夫はキャンプに着いた後、コレラで死亡した。診療所でハラちゃんを抱え、「食べ物と薬を与えれば治ると思う」と目を潤ませていたキビキテさん。ハラちゃんの死の後、診療所の医師に「お金がなく、他の2人の子どもを食べさせてやれない」と漏らしたという。

 ユニセフによると、同国では5人に1人が5歳の誕生日を迎えられない。98年から約9年間で540万人が命を落とした「世界最大の紛争」。死者の約9割は、病気や餓死など紛争の余波によるものだ。ハラちゃんもまた、その犠牲となった。

 【田中龍士】=つづく

 
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