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世界子ども救援キャンペーン/パキスタン

大洪水で仮住まい

洪水で自宅を流された少年。強い日差しが照りつける青空の下、唯一残った門の周りで遊んでいた=パキスタン・バディン郡ラルバクシ村で、小川昌宏撮影

 「何もかも流された。家を建て直す余裕などない」。パキスタン南部・バディン郊外の村で綿花農家のシャー・ムハンマドさん(45)は肩を落とした。洪水で家を流された子どもたちは、当てもなく座り込んでいた。

 パキスタンは2年続きで大規模な洪水に見舞われた。一昨年は2000万人以上が被災、約2000人が犠牲になり、昨夏も500万人以上が被災した。

 ムハンマドさんは代々綿花を栽培してきたが、昨年8月下旬の豪雨で近くの川が氾濫し、みるみるうちに膝上まで浸水。子どもと家畜のヤギを連れ、命からがら約1キロ先の学校に避難した。

バディン

  家族や親戚は無事だったが、避難生活は2カ月余りに及んだ。おいの娘のラビアちゃん(3)はマラリアを患い、多くの子どもたちが下痢や発熱に苦しんだ。水が引いて村に戻ると、自宅は門の一部と土台だけが残り、収穫目前だった畑は跡形もなかった。

 NGOなどの食料支援は昨年で打ち切られ、家族は今、テントや残った一部の部屋で暮らす。屋根のない部屋で寝起きするムハンマドさんは「綿花を売った金で種や肥料を買っていた。この先どうすればいいのか」と天を仰いだ。いつか綿花栽培を再開したいと願うが、建設現場などの日雇い仕事にありつければいい方だという。「気候変動の影響か、あれほどひどい洪水は初めてだった。今年も恐れている人が多い」

 一昨年の洪水で父を亡くしたアブドラ君(12)は、首都イスラマバードの自動車修理工場で見習い修業をしている。約400キロ離れたムルタンで暮らす母親や兄弟のため、毎日早朝から日没まで働き、1週間で手にするのは200円ほど。記者の問いかけに「自分の修理工場を持ちたい」と将来の夢を語った。

 国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、甚大な被害が出たバディンを含むシンド州では、今も1万世帯が粗末な小屋やテントなどで仮住まいを強いられている。【文・堀江拓哉、写真・小川昌宏】

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