採用情報
「答えが決まっているわけではない」。事前に資料を読み込み、質問を熟考してから臨む一本勝負の社長インタビュー。ここに経済部記者の醍醐味(だいごみ)があります。
適度な緊張感とともに、会話を弾ませる軽快さも大切です。嫌がられるようなことも聞く、図太さもないといけません。真正面から疑問を投げかけてみたり、世間話風に変化球を試してみたりの駆け引きもあります。期待していたとおりの答えが返ってくればすんなりアタマに入りますが、想定外のものが飛んできた時の驚きに勝るものはありません。「ちょっとしゃべりすぎたかな」と社長が頭をかいていたり、同席した広報担当が「社員でも聞いたことがない」と慌てていたら、してやったり! 言葉を引き出すことこそが記者の仕事。
企業には長期的なぶれない戦略がある一方で、びっくりするほどすばやい経営判断もあります。企業同士の統合や工場の再編、海外移転、新規事業の立ち上げなど「そのうちあるだろう」と思ってのんびり構えていたら、あっという間に「そのうち」が来て置いてけぼりになる。記者としては、半歩先に立ち、企業が考える次の一手を読まないと他社に負けてしまう。
勝つため、負けないための取材方法を見つけるのは簡単ではありません。ライバル会社や専門家に話を聞くことで客観的に判断できることもあるし、決算発表や有価証券報告書などの数字とにらめっこする地道な作業が有効な場合もあります。連日、朝早起きして出勤する企業トップと数分の立ち話をし、夜も近所迷惑を気にしつつ帰宅するまでひたすら待ち続ける。正直、心底楽しいと思えるような取材ばかりではありません。しかし、一言でも言葉を引き出せて、分からなかったこと、疑問だったことが少しずつ明快になっていく過程は、疲労と充実感がまぜこぜになった何とも言えない感覚で、私は嫌いではありません。













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