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民主党代表選告示を目前に控えた8月26日、私は国会議事堂の向かいにある国会議員会館で、文字通り「走り回って」いました。
この日、野田佳彦首相は代表選への出馬を表明。その後、議員会館にある全民主党所属議員の事務所を訪れ、あいさつ回りを敢行しました。汗だくになりながらも、軽快なフットワークで次々に議員らと握手を交わし、頭を下げる野田氏。
選挙で鍛えられているだけあって、走ると思いのほか速い。私は「野田番」として、他社の記者と共にすぐ後を追いかけました。「低姿勢で実直」という野田氏のカラーは、代表選に勝ち、首相となった今も変わりません。
一方、野田氏の夜の動向、通称・夜日程を把握するのは容易ではなかったのです。会合の場所、相手を特定できず、車をハイヤーで追いかけて巻かれることもしばしば。メディアを通して会合の様子などをアピールし、支持拡大につなげる手もあったはずですが、野田氏はそうしたパフォーマンスを好まなかったのです。
非公式に記者が対象に接触する「夜討ち朝駆け」の場面でも、短いやり取りがほとんど。就任後、官邸での記者団のぶら下がり取材に応じず、「手堅いが発信力に欠ける」とも指摘される首相。その兆しは、代表選の時から感じられました。首相それぞれに、個性があります。
今は「総理番」として首相を追いかける日々。結局、政治を、そして時代を動かすのは人間です。
だからこそ面白い。それぞれの思い、志、野心、怒り、思惑......。政治部への配属を希望した理由の一つは、こうした人間臭さに触れたいと思ったから。代表選では、その一端を垣間見ることができました。厳しい局面で日本のリーダーたちが何を考え、どういう判断を下すのか。これからも目を光らせたい。「人間」に一歩でも迫ろうという好奇心が、記者としての原動力です。













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