一般記者

安藤 いく子Ikuko Ando

東京本社 社会部

2010年入社

2010年入社 盛岡支局に配属 2011年に発生した東日本大震災を取材
2015年熊谷支局に異動 ラグビーW杯の開催が決まり盛り上がる人たちを取材
2016年東京本社 社会部に異動 警視庁、気象庁、復興庁などを担当
2020年盛岡支局に異動 東日本大震災発生10年の取材を担当
2022年社会部に異動 気象庁、復興庁の担当を経て、現在は遊軍記者として関心のあるテーマについて取材

自分の想像を超えた事にたどり着く。ワクワクする瞬間と驚きの出会いを求めて。

 記者の仕事でワクワクする瞬間は、自分の想像を超えた事にたどり着いた時だと思っています。2023年9月1日は関東大震災の発生から100年。私は同僚記者と一緒に連載記事「関東大震災100年の警告」を担当しました。

 災害の教訓を後世に残そうと、当時の人たちは各地に石碑を建てていました。関東大震災の研究者を取材すると、神奈川県厚木市の相川地区で地域の建物が全て壊れる深刻な被害を受け、石碑がいくつも建てられていたことが分かりました。

 23年夏、うだる暑さのなか相川地区の石碑を一つずつ訪ねました。碑を確認した後、周辺住民に話を聞く「聞き込み取材」を重ねましたが、「石碑があることは知らない」と話す人ばかり。あきらめかけた時、碑が建つ神社の隣家で暮らす70代男性が「親から震災の話を聞いて育った」と教えてくれました。

 その住人は碑を知っていましたが、碑の表面に後世への「メッセージ」が書かれていることに気づいていませんでした。

 <不時の天災に備ふるの用意を後世に伝ふ>

 思いがけない災害に備えることの大切さが刻まれていたのです。私が住人にこの文言を伝えると、びっくりした様子ですぐに神社に向かいました。碑を眺めながら感慨深げに話す住人を見て、100年前と現代が結びつく瞬間に立ち会うことができたと思いました。「こんなことが起きるとは」と、私の想像を超えた瞬間でした。

 多くの人にこの驚きを知ってほしい――。そんな出会いを求めて取材を続けています。

2023年8月26日東京朝刊

One Day

10:00

出勤

災害・防災に詳しい大学教授を取材

12:00

取材内容を整理するメモを作る

13:00

昼食

大学の近くでランチ

14:00

会社に上がり、前日に書いた原稿を入念にチェック

15:00

社内でデスクと打ち合わせ

16:00

取材メモの整理や原稿執筆、次に取材するテーマのリサーチ

退勤

取材先と会食したり、同僚と飲みに行ったり。直帰することも

入社後に配属された盛岡支局で、翌年発生した東日本大震災を取材。3月11日の新聞は今でも大切にしています

Interview

毎日新聞社の好きなところは?

若手の意見を大切にする社風があります。

入社してから自分に起きた、良い変化は何ですか?

本を読むスピードが上がりました。

仕事をする上で大事にしていることは?

取材相手の視点です。何を考え、何を思っているのか、常に意識して話を聞くようにしています。

休日の楽しみは何ですか?

行ったことのない街を巡っています。

学生時代に打ち込んだことは?

サークル活動とアルバイトです。

Message

記者は突発的に起きた事件、事故、災害を取材することもあります。忙しい時もありますが、何も起きなければじっくり取材する時もあります。働き方も多様なので、いろいろな人の話を聞いて就職活動に臨んでください。