外信部

川上 珠実Tamami Kawakami

東京本社 外信部 ニューデリー支局

2008年入社

2008年入社 宮崎支局に配属 家畜の伝染病「口蹄疫」の流行や、霧島連山・新燃岳の噴火などの災害を取材
2012年西部本社 福岡報道部に異動 殺人や強盗などの捜査1課事件の取材を担当した後、遊軍として沖縄に通って米軍普天間飛行場の移設問題を取材
2018年東京本社 社会部に異動 米軍基地問題の取材を継続し、締結60年の日米地位協定を検証する企画を担当
2020年外信部に異動 内勤として特派員をサポート
2022年ニューデリー支局に異動 南アジア8カ国を担当

行きづらい場所に身を置き、そこから見える世界の実相を伝える。

出張先のバングラデシュで取材中の様子

 「私たちの名前は伏せて、写真は顔が写らないように後ろから撮ってください」。アフガニスタン東部でイスラム主義組織タリバンに隠れて勉強を教える教師の女性は、そう言って教室に案内してくれました。私が入った後に素早く教室のドアを閉める様子から、緊張感がひしひしと伝わってきました。

 約20年ぶりに政権の座に戻ったタリバンは女子教育を制限し、多くの少女たちが学校に通えなくなりました。そんな中、取材に訪ねた教室でひそかに学ぶ15歳の少女は「もし許されるなら、私も先生になって子どもたちに勉強を教えたい」と夢を語りました。少しでも状況が良くなる日が来てほしい、と祈るような気持ちで記事を書きました。

 ニューデリー支局はアフガンを含む南アジアの8カ国を担当しています。いずれも途上国や新興国で、アフガンのように社会情勢が不安定な国もあります。治安やアクセスの悪さ、取材許可を得る難しさから、行くこと自体に苦労する現場も少なくありません。それでも、どうにかたどり着いた先で、見聞きした人々の声を伝えることに意味があると信じています。

 南アジアの特派員は私一人なので、管内の主要なニュースはすべて担当します。アフガンの例を挙げましたが、中国を抜いて世界最多の人口大国となったインドにも、書ききれないほどの取材テーマがあります。行きづらい場所に身を置き、そこから見える世界を伝える。そんな今の仕事にやりがいを感じています。

2022年8月12日朝刊

One Day

8:30

勤務開始

管内のニュースをチェック。特に出稿するべきニュースがなければ、取材済みの原稿を書く

10:30

出勤してきた支局の助手に、以前指示した取材のアポイント入れの進ちょく状況を確認

13:00

コラムを書くために街頭の市民に声をかけて取材

出張先のアフガンで取材中の様子

14:00

取材先の近くで昼食

支局近くにはマーケットもあります

15:00

インド外交や国際情勢について専門家の講演を聞く。参加した地元の記者や研究者と雑談し、次にどんな原稿を書くか考える

20:00

取材先と会食

日によってはヒンディー語の授業や映画鑑賞

支局近くの駅前の様子

My Favorite

いつも使っているICレコーダー。軽くてパソコンで充電できるので気に入っています

Interview

毎日新聞社の好きなところは?

記者個人の裁量が大きく、自由な社風が好きです。

入社してから自分に起きた、良い変化は何ですか?

滑舌が悪いので話すのが苦手なのですが、取材に没頭しているときは気にならなくなりました。

仕事をする上で大事にしていることは?

不用意にトラブルに巻き込まれると取材どころではなくなるので、できる限り事前に情報収集して自分やスタッフが危険な目に遭うリスクを下げることを常に意識しています。

休日の楽しみは何ですか?

時間が空いたら、近所を散策しながらおいしいチャイの路上販売店を探します。休日は少し足を伸ばして遠くの店を開拓します。

学生時代に打ち込んだことは?

夏休みにインド西部グジャラート州の小さな村にある現地のNGOで働き、活動報告書を作る手伝いをしました。あのときにインドを好きになったのが今につながっています。

Message

夢中になれる仕事に出合えるように、応援しています。