編集記者

塚本 恒Hisashi Tsukamoto

東京本社 コンテンツ編成センター

2009年入社

2009年入社 新潟支局に配属 事件事故やスポーツなどを担当
2014年東京本社 情報編成センターに異動 軟派面(社会面やスポーツ面)の紙面編集を担当
2018年福井支局に異動 事件事故や福井市政などを担当
2020年東京本社 科学環境部に異動 原子力を担当
2021年東京本社 コンテンツ編成センターに異動 スポーツ面の編集を担当

「歴史の1ページ」を作る小さな一歩。白い紙面から始まる熱量を帯びた真剣勝負。

 毎日新聞東京本社の廊下に、飾られた1枚の新聞があります。見出しは「いま月を踏んだ」。そう、アポロ11号の月面着陸を伝える当時の1面記事です。文字通り歴史の1ページ。まるでライブ中継を届けるような紙面に、見かけるたび「良い見出しだなあ」と私はほれぼれしています。

 毎日、私たちの仕事は何もない真っ白い紙面を前にするところから始まります。ここから「歴史の1ページ」を作る小さな一歩を踏み出します。どのニュースを、どのくらいの大きさで入れるか、レイアウトをどうするか、見出しをどう付けるか――。最初からニュースは全部そろっているわけではありません。締め切り時間が刻々と迫るなか、どんどん飛び込んできます。毎日が真剣勝負で緊張の連続ですが、白い紙面を前に「どんな紙面を作れるだろう」と想像する瞬間が、私はたまらなく好きです。

 ところで、私たち編集者は「整理記者」(編集記者)とも呼ばれます。出稿部からニュースのポイントや取材対象者の発言などを聞き出して、現場を追体験するわけです。編集の仕事の根底にあるのはニュースへの驚きと喜怒哀楽。「知りたい」「知ってほしい」と、記者も編集者も考えて作った紙面は自然と熱量を帯びます。新聞製作の一番の醍醐味だいごみです。

 さて、皆さん。この仕事紹介に見出しをつけるなら何とつけますか? 私ならこうします。「求ム 時代の目撃者」。好奇心に満ちた、皆さんの大きな一歩をお待ちしています。

2023年10月3日朝刊

One Day

13:30

出社

他紙(特にスポーツ面)をチェックしながら、遅めの昼食

14:00

編集局全体で朝刊をどう作るかについての会議に参加

15:00

運動部の当番デスクに、その日のニュースについて「取材」

16:00

運動部、校閲、編集者を中心に、朝刊スポーツ面をどう作るかについて会議

18:00

プロ野球プレーボール。「頑張れロッテ」と心の中で念じるも、紙面制作には私情を持ち込まない

降版

もう一度、運動部、校閲、編集者を中心に遅版の紙面について軽く会議

深夜

降版

活躍した選手の読み物を入れ替えたり、見出しを練り直したり、もうひと頑張り。そして、遅版も無事降版

退社

作業を終えて、引き継ぎを記入し、帰宅の地下鉄に飛び乗る

My Favorite

紙面編集専用の定規である「サシ」。長さだけでなく、原稿の行数や記事の段数を測ることができます。毎日新聞社のロゴ入りです。かつては整理記者の必需品でしたが、現在ではパソコン端末上で済ませてしまうケースがほとんど。愛用しているわりに何度も無くしており、このサシは既に3代目です

Interview

毎日新聞社の好きなところは?

人情味にあふれているところです。

入社してから自分に起きた、良い変化は何ですか?

車の運転に慣れたこと(地方支局では自分で車を運転して取材にいく)と、日本酒の味を覚えたことです。後者は良い変化なのか分かりませんが……。

仕事をする上で大事にしていることは?

読者が新聞を読んだ瞬間を想像することです。

休日の楽しみは何ですか?

子どもの少年野球にコーチで参加することです。ちなみに野球は未経験です。

学生時代に打ち込んだことは?

演劇と外国語学習とアルバイトです。

Message

私は「紛争地取材がしたい」と思って入社しました。現在、畑違いの職場ですがやりがいを感じています。人生何があるか分からないもの。自分の可能性を信じて頑張ってください!