一般記者

渡辺 諒Ryo Watanabe

東京本社 くらし科学環境部

2008年入社

2008年入社 松本支局に配属 管内警察署や市町村行政、街ネタを担当
2010年長野支局に異動 県政と市町村行政を担当 衆参議員選挙、知事選、統一地方選の取材と事務作業を経験し、選挙報道のイロハをたたき込まれる
2013年東京本社 科学環境部に異動 地震・火山など自然災害を担当 2014~15年は環境省をカバーし、国際的な地球温暖化対策の国際ルール「パリ協定」を巡る国際交渉を取材
2016年ノーベル生理学・医学賞を受賞した大隅良典博士を取材
2017年大阪本社 科学環境部に異動 大阪北部地震や西日本豪雨などの災害に直面し、苦悩した 医学や医療をテーマにした連載企画も担当
2020年東京本社 科学環境部に異動 医学担当記者として、新型コロナウイルス感染症を巡る記事を執筆 その他、基礎医学や気候変動をテーマに取材
2023年組織改編により、くらし科学環境部に所属 現在、基礎医学や医療をメインテーマに取材を続ける 科学技術の進展にまつわる光と影に迫る「神への挑戦」を連載

評価が定まっていない中で将来を見通せるように。最先端を追って、社会に伝えていく。

 私が取材のメインテーマにしているのは、医学や科学の研究です。その中でも「基礎」分野を主に追いかけています。

 基礎的な研究は、どのように社会の役に立つのか分かりませんし、一見するとその内容も理解しにくいことが多いです。

 例えば、ノーベル賞を受賞した大隅良典博士は、生命を維持する根源的な仕組み「オートファジー」という現象を、酵母を使って分子レベルで解明しました。しかし、解明当初から爆発的に注目を集めたわけではありません。徐々に人々の健康にもかかわることが分かるようになり、今では、一大研究分野へと発展しています。

 二つ目の例として、血液などに微量に含まれる遺伝子の解析が可能になったことで、議論を呼ぶ検査が登場しました。NIPT(新型出生前診断)という検査では、妊婦の血液に含まれる胎児の微量遺伝子から、胎児に先天性疾患のリスクがあるかを調べます。ところが、ダウン症など先天性疾患があったとしても、元気に育つのにもかかわらず、検査によって生まれてくる命を選別してしまうのではないかという問題を抱えています。

 この二つのテーマを取材し、基礎科学が持つ二面性を実感を持って知りました。基礎科学の背後にある実像をいち早く察知し、報じることは意義があると思っています。

 こうした経験を生かし今では、「神への挑戦」という連載を担当しています。毎日新聞が1970年代と2000年代に取り組んだ連載で、当時の最先端の科学の光と影を描いてきました。

 2023年に約20年ぶりに再開し、第一部ではAI(人工知能)をテーマに選びました。AIが私たち市民の生活に入り込む中、人類に多大な恩恵をもたらすのか、逆にディストピアを創出してしまうのか、評価が定まっていない中で将来を見通せるように心がけました。

 このように、基礎研究は大きく花開くこともあれば、逆に社会に負の側面をもたらすこともありえます。評価が定まっていないときから、最先端を追って取材し、社会に伝えていく意義は大きいと思っています。オートファジーとNIPTは社会に出てきた最初から取材できたわけではありません。私が最初から取材するテーマを日々探しています。

2023年10月30日朝刊

One Day

9:00

出社

メールや最新論文のチェック

11:00

社内でオンライン取材

13:00

外出

都内の大学研究室で対面取材

16:00

同僚と取材の打ち合わせ

20:00

帰宅

仕事の中断時間を挟み、自宅で原稿執筆や取材メモの整理、SNSなどで情報収集

My Favorite

入社以来ずっと使い続けている名刺入れ。この名刺入れを持って何人もの人に取材しました。生まれ故郷でお世話になった人から頂いたものです

Interview

毎日新聞社の好きなところは?

取材と記事の執筆にあたって、記者の自主性を尊重してくれるところです。

入社してから自分に起きた、良い変化は何ですか?

世の中にはいろいろな人がいるということを知り、視野が広がりました。

仕事をする上で大事にしていることは?

初めは直感で、その後は冷静な裏付けを、です。

休日の楽しみは何ですか?

山歩きです。歩いていると仕事上のアイデアがふっと浮かぶことも。

学生時代に打ち込んだことは?

弓道をやっていました。

Message

一緒に働けること楽しみにしています。