こだわりカレーや企業とのコラボも?東京都立農産高校の商品のこだわりに迫る!|全国農業高校HANASAKA収穫祭2025
今年の全国農業高校HANASAKA収穫祭には21都道府県45校の農業高校が参加し、自慢の農産物や加工品を販売します。今回は東京都立農産高校にお邪魔して、HANASAKA収穫祭で販売予定の商品を紹介してもらいました。
葛飾味噌カレールウ
農産高校では杉樽の中で自家製味噌を作っているそうで、この味噌は文化祭などで販売するとすぐ売り切れてしまう人気商品なんだとか。その味噌を使って、昨年地元の食品会社ワタナベ食品と開発した、味噌カレールウを今回は販売します。
学校の農園でとれた新鮮野菜がトッピングされたカレーをいただきましたが、味噌のコクがあって、辛すぎず誰が食べてもおいしい!と感じる絶品。生徒たちも自慢の一品です!
ちなみに、相撲の番付表を思わせるようなパッケージタイトルも生徒の手書きなんだそうです。葛飾味噌カレールウとして、葛飾のソウルフードを目指しているそうです。
※野菜は今回販売しません
今回はトッピング用として、陸上で養殖した冷凍エビ(5尾1セット)も販売。養殖が引き起こす環境汚染が問題となる中、2025年8月に生徒たちは福島の企業へ見学に行き、「陸上養殖」という方法について勉強しました。国内における陸上養殖には、新たな産業による耕作放棄地の活用や地域振興の意味合いもあるそうです。
カレールウと一緒にお皿に盛り付ければ「エビ味噌カレー」の完成。環境に優しいエビも、ぜひ手に取ってみてください。
唐辛子入海苔佃煮
もうひとつの目玉は「唐辛子入海苔佃煮」。
都立農産高校では、グローバルな視点を身につけることを目的に、東京都などのプログラムを活用しながらマレーシアとの交流を続けています。これまでお互いの国を訪問して、フードロスや地元の農業について学んできました。来年の1月には希望の生徒がマレーシアの唐辛子農家へ見学に行くため、その前に唐辛子について学びを深めようと、さまざまな唐辛子を栽培しています。
食品科と園芸デザイン科の生徒たちが唐辛子の収穫をする日に収穫祭スタッフがお伺いしました。いくつかの種類の唐辛子を育てていて、中には激辛で有名なハバネロも!目を引いたのは東京近辺で伝統的に栽培されていた在来種(江戸東京野菜)の一種である「八房唐辛子」。うまみが強く、葉唐辛子としても利用できるのが特徴です。
収穫したあとは、東京都・日本橋にある佃煮メーカー、遠忠食品(東京都中央区)の宮島大地さんを招き「東京の食文化や地産地消」をテーマにした講演会に参加しました。宮島さんはまず、日本の食料自給率の低さなどについて解説。その後、遠忠食品の佃煮には国産原材料をなるべく使用しているというこだわりを高校生に伝えていました。
生徒からは「パッケージデザインはどんなところにこだわっていますか?」という質問があり、宮島さんは「パッケージで印象が全く変わるので、カラーバリエーションを豊富にしてポップさを出しています。ポップかつ、老舗感が伝わるデザインにしています」と答えていました。
今回のHANASAKA収穫祭では遠忠食品と農産高校がコラボした唐辛子入海苔佃煮を販売します。農産高校で育てた八房唐辛子を使って、遠忠食品が三重県伊勢湾産の香り高い海苔と合わせた佃煮を開発しました。食材によって合わせる海苔の種類も異なり、唐辛子にはあおさ海苔の風味がよく合うそう。
宮島さんは今回の農産高校とのコラボ企画について「お話をいただいたときうれしく思いました。東京で作られた作物を扱うことにやりがいを感じますし、『江戸東京野菜』という東京で作られてきた食材を次世代に知ってもらう機会にできたら」と話していました。
パッケージデザインは農産高校の生徒が制作し、「八房トウガラシは江戸東京野菜の1つなので和をコンセプトにデザインしました。背景は目立ちつつ和風なイメージにするために深紅の色を使いました。黄色いラインを入れることでより、雰囲気が出たと思います」とポイントを語ってくれました。

消費者にどんな商品なのか伝わりやすくすることも意識したというパッケージデザインにも注目の商品。みなさんぜひ会場(農産高校は大丸会場です!)でチェックしてみてくださいね!