CASE STUDY 導入事例

奈良県立香芝高校 表現探究コース

 2020年から「記者トレ」教材を採用している奈良県立香芝高校表現探究コース1年生の授業を5月16日(月)に取材しました。

 近鉄五位堂駅から1km、JR香芝駅から1.3kmの大和馬見丘陵の地にある香芝高校の校門を入ると、目の前には広い芝生で囲まれた校舎が見えます。この日は5、6限を使って授業がありました。新聞記者の基本姿勢と心構えから、「伝える」ときと「聞く」ときの心がけについて、解説動画を見て問題に答えたり、ペアでインタビューしたりして学習します。表現探究コース担当の河合誠史教諭から「動画の内容をメモしておくように。この後、問題を出します」と説明があり、生徒は約15分の動画視聴中、一生懸命にメモを取っています。

 ▽興味の幅を広げるコツは?(  )を大切にする ※正解は日々の出会い
 ▽記者の醍醐味とは? (  )で誰にでも会いに行ける ※正解は名刺一枚

 生徒たちは問題がスクリーンに映されると、「あー、それメモに書いたでー」「無理やってー」と感想を口々に言っています。

 正解した生徒、不正解だった生徒、みんなが盛り上がって採点をしていて、とても楽しそうですが、言葉を正確にメモすることは、意外と難しかったようです。

 6限は、ペアインタビューに取り組みます。まずは、解説動画を見ずに3分間好きな食べ物について質問します。好きな食べ物は「あたりめ」という生徒に、「なんで好きなん?」「いつから好きになったん?」と矢継ぎ早に質問する生徒。「自分で作ったりする?」という質問に「作るよ」と答えています。

 インタビューを聞いていて、あたりめを自分で作るという発想がない筆者は、斬新な質問だなぁと感心しつつ、なぜ、自分で作ろうと思ったのかが気になってしまいました。ちなみに料理方法は、イカを買ってきて火であぶったそうです。

 その後、インタビューの解説動画を見て、もう一度ペアインタビューに挑戦しました。

 授業をサポートしていた星合智賀子教諭は、「初めは一問一答で、たくさんの質問をしていたけれど、動画視聴後には、一つの質問について深掘りができていました。相手の表情も観察できる余裕が持てるようになったら、もっと新しい発見ができるようになります」と感想を述べられました。

 小川美結さん(15歳)は、「自分の考えを伝えることはできるけど、聞くことは難しいと感じました。聞きなれないテーマや内容だと、そもそも何について話しているのかを理解することが大変でした」と授業で苦労した点を語ってくれました。記者トレの授業について、隅田詩季さん(15歳)は、「グループワークで、いろんな人と話す必要があって、コミュニケーション力がアップした」と笑顔で話してくれました。現在3年生で2年前に記者トレを学んだ上島楓生さん(18歳)は、「以前は文章の書き始めを悩んでいたけれど、記者トレで新聞を読んだり、記事を切り抜いたりして感想をまとめることで、文章が書けるようになった」と学習の成果を述べています。

 生徒たちは夏休みに卒業した中学校の恩師にインタビューして、2学期の授業でインタビュー記事にまとめて発表するそうです。どんなインタビュー記事ができるのか、楽しみです。

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