他者との交流を増やしたい
ケース2・通いの場や地域のイベントに参加
認知症予防に重要な社会参加や他者との交流を増やしたい!

●事例の概要
Bさん(79)は妻と2人暮らし。会社員として勤め上げ、60歳で定年した後も再雇用で70歳まで働いていました。会社を辞めた後の数年間はのんびり過ごしていましたが、最近は社会との接点が徐々に少なくなってきていると感じています。妻以外との交流がほとんど無くなり、このままでは地域社会から孤立してしまうのではないかと感じていました。また、このところは「物をどこに置いたかな」「テレビで見る俳優の名前が出てこない」などともの忘れも気になっていました。新聞の認知症に関する記事で、認知症予防の一つに社会参加や他者との交流が重要だと知り、新たに自身で取り組める活動を始めることにしました。
●Bさんの心配事
Bさんは定年後、自宅で過ごす時間が年々増えています。外出機会の減少に伴い、地域社会との接点も減ってきていました。こうなると他の人との交流も減ってしまいます。こうした状態が続くと、認知症やうつ病のリスクが高まると言われています。今後の人生を元気に過ごすうえでは、日常生活における活動を改善する必要があります。
●Bさんが社会参加について相談できる先は
自治体の窓口(地域活動やイベント情報)▽地域センター(各種講座や地域住民交流の場などの情報)▽地域包括支援センター(居住地域の通いの場の情報など)▽社会福祉協議会(ボランティア活動の情報など)−−とさまざまな機関から情報を入手できます。また通いの場のアプリなどからも地域の情報を得ることができます。
●Bさんが自分らしく暮らすためのヒント
Bさんは、社会参加や他者との交流機会を求め、まずは地域センターを訪れてみました。そこでは地域のさまざまなイベントや習い事の情報を得ることができました。
昔から落語が好きなBさんは、数年前までは時々電車に乗って寄席に通っていました。定年後はその機会も減ってしまっていましたが、自宅近くの地域センターでも落語を聞けると知り、手始めに寄席イベントに参加しました。
またイベントの他に継続的に通える場所の情報を把握しようと、最寄りの地域包括支援センターを訪れてみました。そこでは自宅周辺の通いの場について知ることができました。月数回、高齢者が集まり町中のウオーキングをしているグループがあり、そこへ参加することにしました。今まで知り得なかった情報が得られ、定期的な外出機会と他者と交流する場を確保することができました。活動に参加してからのBさんは今後も外出をするように心掛け、人とも接していきたいというふうに気持ちの変化も生まれてきました。
2025年8月