父・丹羽文雄 介護の日々

本田桂子著 533円+税(中公文庫)

 著者はこの4月、死去。訃報に接し瀬戸内寂聴さんは、毎日新聞に「介護の戦士としての尊い戦死」と記した。65歳だった。作家である父(96)がアルツハイマーを発病したのは、1986年。介護の日々を書いたのは4年前。その間、母もぼけた。「私たちが今直面している苦労は、子どもたちには絶対させたくない」と思う一方で、「ボケが始まった老人を前に、腹を括って前向きに介護にあたる。そして、愛情をもって受け入れてあげてください」と言う。出版後も介護は続き、15年間に及んだ。

2001年 財団報「新時代 New Way of Life」より