読んでみた

つながる・ささえる・つくりだす 在宅現場の地域包括ケア

秋山正子著/2000円+税/医学書院(03・3817・5600)

 東京の都営戸山ハイツを拠点に、「住み慣れた場所で最期まで暮らす」をモットーに理想の地域包括ケアを模索する著者らの実践と提案だ。

 支援を必要とする人たちの居場所である「暮らしの保健室」や重度の障害があっても暮らし続けるための拠点「坂町ミモザの家」、医療の手を離れ自分らしい生活を取り戻す場としての「マギーズ東京」。これらの実践を通じて、ケアの工夫でみとるところまで手を差し伸べ、本人はもちろん家族や支援者も納得するという「成功体験」をすべての当事者が伝えていくことが大切と説く。

 医療と介護や予防をパッケージしたサービスを理想としつつ、一歩ずつ訪問看護を深化させてきた貴重な記録だ。